2019年 | プレスリリース・研究成果
地球深部で発生するマグマの挙動を明らかに
【発表のポイント】
- 地球マントルの地下660 kmで生成されるマグマを実験的に再現し、その挙動を明らかにした。
- 地球深部で発生するマグマの化学組成が地表で噴出するマグマと大きく異なることを示した。
- マグマ成分に枯渇した残された岩石は深部へ運ばれ、660 km以深のマントルの化学組成に影響を及ぼす可能性がある。
【概要】
東北大学大学院理学研究科地学専攻の博士課程前期2年の中嶋彩乃、坂巻竜也助教、鈴木昭夫准教授と、バイロイト大学バイエルン地球科学研究所の川添貴章助教(現 広島大学大学院理学研究科所属)による合同研究グループは、地球マントルの深部で生成されるマグマを実験的に再現し、その挙動を明らかにしました。本研究では、地下約660 kmで岩石が部分的に溶融しマグマが発生すること、そのマグマの化学組成が地表で噴出するマグマと大きく異なること、マグマと残された岩石が地下660 km付近で分離することを示しました。また、マグマ成分に乏しい残された岩石は深部へ運ばれる可能性を指摘しました。地下660 kmより深部の下部マントルの化学組成は未だ解明されておらず、本研究成果から新たな知見が得られることが期待されます。
本研究成果は英国nature publishing groupのオープンアクセス科学雑誌「Scientific Reports」にて 2019年5月15日18時(日本時間)に公開されました。
図. 深さ 660 kmにおけるマグマ生成・分離モデル
問い合わせ先
<研究に関すること>
東北大学大学院理学研究科地学専攻
博士課程前期2年 中嶋 彩乃(なかじま あやの)
電話: 022-795-6663
E-mail:ayano.nakajima.r1*dc.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東北大学大学院理学研究科地学専攻
助教 坂巻 竜也(さかまき たつや)
E-mail:sakamaki*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東北大学大学院理学研究科地学専攻
准教授 鈴木 昭夫(すずき あきお)
電話:022-795-6663
E-mail:akio.suzuki.c5*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
<報道に関すること>
東北大学大学院理学研究科広報・アウトリーチ支援室
電話:022-795-6708
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)