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運動神経疾患の新たな原因を発見 細胞内のトラックの暴走が疾患を引き起こす

【発表のポイント】

  • 細胞内のトラックKIF1Aの遺伝子変異は運動神経疾患の原因となる1分子を解析できる特別な顕微鏡を用いて病気型KIF1Aを観察
  • その結果、運動神経疾患ではKIF1Aのブレーキが壊れていることを発見
  • 今回の手法は他の神経疾患の解析にも応用可能

【概要】

東北大学学際科学フロンティア研究所の丹羽伸介准教授らのグループは、神経細胞内でトラックの役割を果たすKIF1Aモーターと呼ばれる分子の運動を、1分子レベルで観察できる特別な顕微鏡で観察しました。その結果、KIF1Aモーターのブレーキが壊れて神経細胞内を暴走することが遺伝性痙性対麻痺と呼ばれる運動神経疾患の原因であることを突き止めました。KIF1Aモーターの働きを抑えるような薬を作れば、運動神経疾患の新たな治療薬になる可能性があります。KIF1Aモーターのような細胞内のトラックの異常は筋萎縮性側索硬化症(ALS)やアルツハイマー病などとも関係していると言われているため、今回の1分子を解析する方法は他の神経疾患の研究にも応用できると考えられます。

本研究成果をまとめた論文は、2019年8月27日に学術誌『米国科学アカデミー紀要 (PNAS)』に掲載されました。

図1 神経細胞の中は我々の社会と同じような輸送網が発達している。この輸送網は軸索輸送と呼ばれる。

図2 遺伝性痙性対麻痺の患者さんではトラック(=KIF1A)のブレーキが故障して暴走状態になっている。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関して)
東北大学 学際科学フロンティア研究所 
准教授 丹羽伸介
電話 022-795-4734
E-mail shinsuke.niwa.c8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関して)
東北大学 学際科学フロンティア研究所
URA 鈴木一行
電話 022-795-4353
E-mail suzukik*fris.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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