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クラゲの体の成長や触手の発生・再生には細胞増殖が必須 〜新規の原始後生動物研究モデルの確立に向けて〜

【発表のポイント】

  • クラゲを含む刺胞動物は、左右相称動物の姉妹群であり、筋肉や神経を持った最も原始的な動物です。
  • クラゲには無性生殖のポリプと有性生殖を行うメデューサがありますが、メデューサの発生、成長、再生の細胞レベルでのメカニズムはほとんどわかっていません。
  • 飼育が容易なエダアシクラゲを用いて、メデューサにおける細胞増殖のパターンを明らかにし、体の成長や触手の発生・再生における細胞増殖の役割を示しました。

【概要】

東北大学学際科学フロンティア研究所の中嶋悠一朗(なかじまゆういちろう)助教(生命科学研究科・兼任)は、同生命科学研究科大学院生の冨士田壮佑(ふじたそうすけ)氏、倉永英里奈(くらながえりな)教授らとともに、クラゲのメデューサ個体の体が成長する過程や触手の形態形成・再生において細胞増殖が必須であることを明らかにしました。

クラゲは約6億年前から地球上に存在する原始後生動物の1種であり、左右相称動物(脊椎動物や節足動物など)とは独立して進化してきたと考えられます。これまで、飼育や系統維持の難しさなどから、クラゲ個体を用いた細胞や分子レベルの研究は困難でした。中嶋助教らは、研究室環境で飼育が容易なエダアシクラゲを用いて、細胞増殖のパターンを詳細に明らかにしました。さらに、クラゲの成長や触手の発生・再生において細胞増殖が必須であることを示しました。

本研究は、原始後生動物であるエダアシクラゲを用いた発生や再生、生理学的な研究の細胞生物学的な基礎となると考えられます。本研究の内容は、大学院生冨士田を筆頭著者、中嶋助教を責任著者として、オープンアクセスのオンライン国際生命科学誌PeerJ(8月26日)に掲載されました。

本研究は、以下の文部科学省科学研究費補助金および公益財団法人の研究助成金の支援を受けて行われました。

写真1

写真2

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学学際フロンティア研究所 助教 
(東北大学大学院生命科学研究科 助教 兼任)
担当: 中嶋 悠一朗 (なかじま ゆういちろう)
電話: 022-795-6701
E-mail: yuichiro.nakajima.d2*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学学際フロンティア研究所 企画部
担当 鈴木 一行(すずき かずゆき)
電話 022-795-4353
E-mail: suzukik*fris.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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