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新しい常温発電デバイスを開発 バッテリーフリーIoTセンサ・システムへの応用が可能

【発表のポイント】

  • 暗所でのエネルギー供給源となる発電デバイスを開発。
  • 蓄熱と放熱機構を組み込んだ熱電素子*1において、温度差のみならず環境の温度変化から発電する常温発電デバイスの開発。
  • バッテリーレスでIoT*2センサを動作し、その情報を長期間にわたり無線で送信することに成功。
  • IoTで使用されるさまざまなセンサと組み合わせてバッテリーフリー化が期待できる。

【概要】

スマート社会における多種で膨大な数のセンサの電源として、太陽光発電が利用できない暗所でのエネルギー供給源が課題となっています。東北大学マイクロシステム融合研究開発センターおよび大学院工学研究科機械機能創成専攻の小野崇人教授の研究グループは、マイクロ加工技術を用いて熱電素子を量産する技術を開発するとともに、周囲の温度変化を利用して発電する熱電システムを試作し、バッテリーレスでのIoTセンサの動作に成功しました。

本技術の開発により、暗所などにおいても環境の温度変化を利用して発電し、いったん蓄電した後にセンサに給電して動作させることが可能になります。将来は防災やセキュリティー、構造物のモニタリング等で長期間にわたり、電池交換などのメンテナンスが必要無いセンサ・システムへの応用が期待されます。

図1.開発した常温発電デバイス。(サイズ比較のためペンを置いてある。)左上の挿入図は、内部構造であり、蓄熱部、熱電素子、放熱構造(裏側)、センサ、CPU、無線ユニットから構成されている。

【用語解説】

1.熱電素子
金属や半導体に温度差を与えた時、内部の電荷が熱により移動し電位差を生じる。いわゆる、ゼーベック効果を利用した発電素子。

2.IoT(Internet of Things) 
モノのインターネット化と呼ばれ、従来インターネットに接続されていなかった様々なモノ(センサー機器、建物、車、電子機器など)が、ネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をする仕組。モノのインターネット化と呼ばれる。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究内容について)
東北大学 マイクロシステム融合研究開発センター(μSIC)
教授 小野 崇人
Tel:022-795-5806
E-mail:ono*nme.mech.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道担当)
東北大学 マイクロシステム融合研究開発センター(μSIC) 
特任教授 大高剛一
Tel:022-795-6258
E-mail:ohtaka*nme.mech.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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