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微生物が進化の過程で獲得した省エネ泳法を解明 細胞の連携が最適な遊泳効率をもたらす

【発表のポイント】

  • 細胞が集まることで、単体で運動するより100倍も運動性能が向上する
  • まるでムカデのように、等間隔で鞭毛を動かすのが最適な泳法となる
  • なぜ生物は多細胞生物へと進化したのか?の謎を解く鍵となる

【概要】

多細胞生物が進化するにあたっては、単細胞動物が集まることで生まれたとされており、多細胞化には進化上の優位性があったと考えられます。東北大学大学院工学研究科の生体流体力学分野 大森俊宏助教と石川拓司教授らのグループは、微生物の遊泳効率について解析を行い、細胞が集まって集団で運動することで運動性能が100倍も向上できることを発見しました。微生物の世界では、ムカデのように等間隔で鞭毛を動かす泳法が最も省エネルギーであり、現存する微生物は広くこのような泳法を利用していることが分かりました。この結果は、生物が多細胞化することの優位性を示すもので、原初の単細胞生物が多細胞生物へと進化した歴史の謎を紐解く鍵となります。

本研究成果は、2020年11月16日午後3時(現地時間、日本時間11月17日午前5時)PNAS誌(米国科学アカデミー紀要)に掲載されました。

図:細胞が集まると単体で運動するより運動性能が100倍も向上する

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院工学研究科
ファインメカニクス専攻生体流体力学分野
助教 大森 俊宏
電話番号:022-795-5030
Eメール:omori*bfsl.mech.tohoku.ac.jp

(取材に関すること)
東北大学大学院工学研究科
情報広報室 担当 沼澤 みどり
電話番号:022-795-5898
Eメール:eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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