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精密な微小機械システムの材料の摩耗量予測式を提案 ―スーパーコンピュータ「MASAMUNE-IMR」による成果―

【発表のポイント】

  • 精密な微小機械システムにおける材料の摩耗量を予測可能な理論式を提案した。
  • 通常サイズの機械システムに対する材料の摩耗量予測式が、微小な機械システムへは適用できない問題点を解決した。
  • 本研究は、1秒間に3000兆回の高速計算が可能な東北大学金属材料研究所のスーパーコンピュータ「MASAMUNE-IMR」※1の活用成果である。

【概要】

ドローン、ロボット、自動車、医療機械などに利用される精密な微小機械システムでは、通常サイズの機械システムでは問題にならない極微少量の「摩耗」でもその精度と耐久性に大きなダメージを与えるため、極限までの摩耗量の低減が強く求められます。しかし、通常サイズの機械システムに対する従来の摩耗量の予測式を微小な機械システムには適用できないことが問題でした。

東北大学金属材料研究所の久保百司教授、王楊助教(現:東北大学大学院工学研究科)、東北大学大学院工学研究科の足立幸志教授、および中国上海海洋大学の許競翔副教授のグループは、東北大学金属材料研究所のスーパーコンピュータ「MASAMUNE-IMR」を活用し、微小機械システムの摩耗メカニズムを明らかにするとともに、その知見に基づき微小機械システムに対する摩耗量の予測式を世界で初めて提案しました。この新しい理論式は、微小機械システムの長寿命化に加え、故障・事故の防止を実現する信頼性向上に貢献しうる成果です。

この成果は、令和2年12月7日にAdvanced Scienceに掲載されました。

○専門用語解説(注釈や補足説明など)

※1 スーパーコンピュータ「MASAMUNE-IMR」
スーパーコンピュータとは、演算処理装置であるCPUを大量に備えたコンピュータを意味し、これら大量のCPUが並列的に計算処理を行うことで、極めて高速な計算を可能とします。「MASAMUNE-IMR」は、2018年8月に東北大学金属材料研究所に導入されたスーパーコンピュータの愛称であり、正式名称である"MAterials science Supercomputing system for Advanced MUlti-scale simulations towards NExt-generation - Institute for Materials Research"の頭文字をとったものです。MASAMUNE-IMRは、合計で11,592個のCPUコアと1,484,800個のGPUコア(画像処理装置)を有することで、1秒間に3000兆回の高速計算が可能です。

詳細(プレスリリース本文)PDF

本件に関するお問い合わせ先

◆研究内容に関して
東北大学金属材料研究所
久保 百司
TEL:022-215-2050
Email:momoji*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

◆報道に関して
東北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
TEL:022-215-2144 FAX:022-215-2482
Email:pro-adm*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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