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訪問診療や訪問看護事業所が多い地域ほど自宅で死亡を迎える割合が高い ~高齢者人口1,000人当たり施設数1増加で、2%自宅死亡率が増加~

【本学研究者情報】

〇本学代表者所属・職・氏名:大学院歯学研究科・非常勤講師・坪谷 透

【発表のポイント】

  • 国の公表データを用いた市区町村単位の分析で、訪問診療を実施する診療所数や訪問看護を実施する事業所数と自宅での死亡率に正の関連がありました。
  • 上記の施設が、高齢者人口1,000人当たり1施設増加すると、自宅死亡率が約2%増加することが示唆されました。
  • 逆に、地域の病院数、そして長期療養病床数や老人保健施設の定員数は、自宅死亡率と負の関連を示していました。
  • 地域の長期療養病床施設を含めた病院数および病床数や老人保健施設の医療・介護人材を、在宅支援サービスに転換していく必要性があることも示唆されました。

【概要】

国の調査では約半数の日本人が最期を迎える場所として「自宅」を望んでいます。しかしながら、現在の日本では70%以上の人が病院で最期を迎えており、そこには大きなギャップが存在しています。本研究では国の公表データ2014年および2017年の2時点分を用いて、市区町村単位の医療・介護資源、収入レベルと、同じく市区町村単位の自宅死亡率の関連があるかどうかを検証しました。その結果、市区町村単位の訪問診療を実施する一般診療所数および訪問看護を実施する事業所数と、市区町村単位での自宅死亡率に関連があることが確認されました。逆に、地域の病院数、そして長期療養病床数や老人保健施設の定員数は、自宅死亡率と負の関連が認められました。多くの人々が望む自宅での最期を叶えるためには、在宅医療施設数の充実とともに、地域の長期療養病床施設を含めた病院数および病床数や老人保健施設の医療・介護人材を、在宅支援サービスに転換していく必要性が示唆されました。

本研究成果は2021年3月23日に国際科学誌Annals of Geriatric Medicine and Researchに掲載されました。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
非常勤講師 坪谷 透(つぼや とおる)
E-mail : tsubo828*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
広報室
E-mail : den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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