本文へ
ここから本文です

複雑な構造の"かたち"から"ながれ"を直接予測 岩石内の流体流動をトポロジーによって読み解く

【本学研究者情報】

〇流体科学研究所 自然構造デザイン研究分野 助教 鈴木杏奈
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 岩石内の流路を,応用数学における「穴」として評価した.
  • 流動実験やシミュレーションなしに,画像データ(形の情報)のみによる流れ特性の簡易な予測に成功した.
  • カーボンニュートラル技術として注目されている二酸化炭素の地中貯留や地熱開発などの開発加速に期待.

【概要】

複雑な構造の中の流れやすさを予測することは,長年の課題でした.東北大学 流体科学研究所 鈴木杏奈 助教ら研究グループは,スコットランドUniversity of Strathclyde James M. Minto博士,九州大学工学研究員地球資源システム工学部門 辻健 教授,岡山大学 サイバーフィジカル情報応用研究コア 大林一平 教授,京都大学高等研究院 平岡裕章 教授らと共同で,岩石内を水が流れる流路を,数学的な「穴」として評価し,構造情報から水の流れやすさを予測する方法を提案しました.本アプローチは,機械学習や畳み込みニューラルネットワークでは捉えにくい大域的な特徴を抽出することにより,"かたち"と"ながれ"を結びつける新しいアプローチです.流動実験やシミュレーションをしなくても,構造の情報さえあれば,簡単に流れやすさを求めることができます.岩石内の水の流れやすさを把握することによって,カーボンニュートラル技術として注目されている二酸化炭素の地中貯留や,地熱開発などに利用できます.

この研究成果は,9月10日 Nature Publishing Groupの電子ジャーナルScientific Reportsに掲載されました.

図1:パーシステントホモロジーによる岩石の流路解析のイメージ.(a)岩石内の割れ目が入り口から出口までつながっていると流路となり,水が流れることができます.(b)このような岩石を解析するために,二値化画像 (例えば,CT画像など)を用意します.(c)パーシステントホモロジーで解析すると,流路とその最小の幅を検出できます.

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

【問い合わせ先】
東北大学流体科学研究所
担当 助教 鈴木杏奈
電話 022-217-5284
E-mail anna.suzuki*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

sdgs_logo

sdgs07 sdgs09sdgs13

東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています

このページの先頭へ