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世界初!統一シミュレーションにより、木星や土星などの「巨大ガス惑星」の形成過程を解明

【本学研究者情報】

大学院理学研究科 教授 田中秀和(たなか ひでかず)
研究室ウェブサイト

【概要】

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院理学研究科の小林 浩 助教は、国立大学法人東北大学大学院理学研究科の田中 秀和 教授との共同研究で、世界で初めて、0.1ミクロンサイズのダスト注1)から1万kmサイズの惑星までの成長過程を、惑星形成の母体となる原始惑星系円盤注2)全体(地球から太陽の距離の100倍程度の大きさ)で取り扱う、精密かつ統一的な計算機シミュレーションにより解明しました。この統一シミュレーションにより、長年の謎であった、太陽系の木星や土星のような「巨大ガス惑星注3)」の形成の道筋を新たに発見しました。

惑星系の中で最も重い巨大ガス惑星は、他の惑星の環境にも影響を与えます。巨大ガス惑星形成の道筋が明らかになったことで、地球の環境形成にも示唆が与えられるとともに、太陽系外惑星注4)系において、生命を育む惑星(ハビタブル惑星)の形成についても議論ができるようになりました。

本研究は、太陽系の惑星だけでなく、系外惑星も含めたハビタブル惑星起源の全容解明につながることが期待されます。

本研究は、平成30年度から始まった新学術領域「星・惑星形成」の支援のもとで行われたものです。

図1:惑星形成の概念図

【用語解説】

注1)ダスト:
星が形成される時、原始惑星系円盤に持ち込まれる。最初は0.1ミクロン程度の大きさであり、付着成長をくり返し「ぶどうの房」のような形状で大きくなる(図1参照)。

注2)原始惑星系円盤:
星形成過程で星の周りに作られる円盤。大きさは地球と太陽の距離(天文単位)の100倍ほど。この円盤の中で惑星は作られる。

注3)巨大ガス惑星:
木星や土星のような惑星。主に水素やヘリウムのガスで構成されるが、まず地球の10倍ほどの重い固体核が形成され、それがガスを大量に集積して形成される。

注4)太陽系外惑星(もしくは、系外惑星):
太陽以外の恒星の周りを公転する惑星のことである。すでに5000個以上の系外惑星が発見されている。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学大学院理学研究科
教授 田中 秀和(たなか ひでかず)
TEL:022-795-6504
E-mail:hidekazu*astr.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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