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歯の移動を促進させる加速矯正治療のメカニズムを解明 〜矯正治療の期間の短縮へ光明〜

【本学研究者情報】

大学院学研究科 准教授 北浦英樹
分野ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 歯槽骨に微小の穴を開ける方法により、誘発された組織代謝が促進し、歯の移動が早くなること明らかにしました。
  • 矯正治療期間の短縮に役立てることが期待できます。

【概要】

矯正歯科治療では、治療期間が長いという問題点があります。歯槽骨に微小の穴を開ける特殊な方法により、その治癒作用で組織の代謝作用が増加する現象が知られています。東北大学大学院歯学研究科顎口腔矯正学分野 金城里阿大学院生、北浦英樹准教授および溝口到教授らの研究グループは、モデルマウスの歯槽骨に微小な穴を開けることで、歯の移動が促進されることを確認しました。

これは、微小な穴をあけることにより、炎症性サイトカインTNF-α*1 の増加、増加したTNF-α により破骨細胞の増加が起こり骨の吸収が増すことで、歯の移動が早くなるためであることを見出しました。さらに、TNF-α が間質系細胞からの破骨細胞誘導因子であるRANKL*2 の発現を増加させ、破骨細胞形成を増加させることにより歯の移動が促進することを見出しました。

本研究成果により、歯の移動を加速させ矯正治療期間の短縮に役立てることができます。

この研究成果は、2022 年3 月10 日(日本時間)にInternational Journal of Molecular Sciences に掲載されました。

【用語解説】

*1 TNF-α: tumor necrosis factor-α、腫瘍壊死因子 炎症を誘発するサイトカインの代表的なもので、骨を吸収する破骨細胞形成を誘導することも報告されています。

*2 RANKL: Receptor activator of nuclear factor kappa-Β ligand 破骨細胞形成に必須のサイトカイン。これが増加すると破骨細胞が形成され、骨の吸収が増加することが知られています。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科 顎口腔矯正学分野
准教授 北浦英樹
電話: 022-717-8374
E-mail: hideki.kitaura.b4*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科広報室
電話: 022-717-8260
E-mail: den-koho*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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