本文へ
ここから本文です

メントールの冷感が運動持続時間を延長! 運動に伴う息苦しさを和らげ有酸素運動を心地よく継続

【本学研究者情報】

〇大学院医工学研究科 教授 永富良一
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 冷たい飲料やL-メントール注1の摂取は、冷感を感じることで暑熱環境下の持久運動能力を伸ばすと報告されている。
  • 本研究では、高強度ランニング中のL-メントール溶液の摂取が、運動中の息苦しさを緩和させ、ランニング時間を伸ばすことを、初めて実験的に検証した。
  • L-メントールの冷感による運動時間の延長効果は、すでに運動に取り組んでいる人の運動能力向上だけでなく、運動習慣のない方の運動取り組みへの第一歩や運動継続に役立つと期待される。

【概要】

L-メントールには冷感作用があり、暑熱対策に使用されています。また喉の痛みや鼻詰まりの緩和などにも使われていますが、持久運動中の息苦しさと持久運動能力に及ぼす影響についての研究はこれまでありませんでした。東北大学大学院医工学研究科の永富教授らの研究チームは、高強度ランニング運動におけるL-メントールの飲用が運動中の息苦しさを緩和し、持久運動能力を伸ばすことを初めて実験的に明らかにしました。

本研究成果は、2022年8月31日世界最大級のスポーツ科学学術団体であるヨーロッパスポーツ科学学会の公式学術誌European Journal of Sport Scienceに掲載されました。

トレッドミルランニング運動中のメントール水摂取は水に比べてランニング時間を伸ばした

【用語解説】

注1. L-メントール:ハッカ草を水蒸気蒸留し、抽出されたハッカの原油(取卸油)を濾過、冷却、遠心分離等の過程を経て、結晶となったもの。菓子類、口腔清涼剤、リップクリーム、咳止め、痒み止め、鎮痛剤などに含まれている。L-メントールは冷たさを感じる神経に発現しているTRPM 8温度受容体チャネルによって受容され、冷感を生じる。TRPM 8は25〜28度以下の温度やL-メントールの刺激によって活性化する。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院医工学研究科
教授 永富良一(ながとみ りょういち)
電話番号:022-717-8586
Eメール:nagatomi*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(取材に関すること)
東北大学大学院医工学研究科
電話番号:022-795-5826
Eメール:bme-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

sdgs_logo

sdgs03

東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています

このページの先頭へ