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隕石破片の付着力は弱く大きさに依らない ―小惑星表面で粒子が動きやすいことを示唆―

【本学研究者情報】

〇大学院理学研究科地学専攻
特別研究員 長足 友哉
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 付着力は、小惑星のような微小重力環境で砂や土のような小さな粒子に働く力として重要と考えられているが、小惑星粒子の付着力に対する粒子の大きさの影響は未解明だった。
  • ミクロンサイズと数十ミクロンサイズの隕石破片の付着力を測定し、付着力が破片の大きさやでき方に依らず、粒子を球形と仮定した従来の推定よりも桁違いに小さいことを示した。
  • この結果は、小惑星表面で粒子が動きやすいことを示唆する。

【概要】

小惑星表面のような微小重力の環境では、付着力は砂や土のような小さな粒子に働く力として重要です。例えば、小惑星への隕石衝突で発生した地震動によって表面の粒子が動くことができるかどうかに影響します。球粒子の付着力は、粒子の大きさに比例します。しかし、実際の小惑星粒子は、隕石衝突などで壊れてできたもので、表面に凹凸を持ちます。これまで、不規則な形をした小惑星粒子の付着力が粒子の大きさにどのように依るのかはよく分かっていませんでした。

神戸大学大学院理学研究科博士後期課程(研究当時)の長足友哉さん(現東北大学日本学術振興会特別研究員PD)と中村昭子准教授は、小惑星由来とされる隕石破片の付着力を測定し、付着力が破片の大きさに依らないことを明らかにしました。この結果は、小惑星粒子が、従来想定されていたよりも桁違いに弱い付着力を持ち、小惑星表面で動きやすいことを示します。

この研究成果は、3月17日に米国の国際学術雑誌 Science Advances に掲載されました。 

図1. 付着力の測定方法

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)

東北大学大学院理学研究科地学専攻
特別研究員 長足 友哉
E-mail: yuuya.nagaashi.e3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)

東北大学大学院理学研究科広報・アウトリーチ支援室
TEL:022-795-6708  
E-mail: sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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