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未来の遠隔コミュニケーションを豊かにするための研究を開始 サイバー&リアルICT学際融合研究センターを新設

【発表のポイント】

  • 東北大学は4月1日、電気通信研究所にサイバー&リアルICT学際融合研究センターを新設します。
  • 人々の日常の対人コミュニケーションで重要な役割を担っている「非言語情報」のやりとりに注目した「非言語情報通信」を実現することで、未来の遠隔コミュニケーションを豊かにすることを目指し研究を行います。
  • 本センターはダイバーシティに寄りそうアクセシブルでインクルーシブな未来社会の実現に貢献します。

【概要】

未来の遠隔コミュニケーションでは、人同士が、サイバー/バーチャル空間をうまく活用しながら、自らがいるリアル/フィジカル空間のモノや情報も使いつつ、豊かなコミュニケーションができることが期待されています。

そういった豊かなコミュニケーションを実現するための鍵は、人々の日常の対人コミュニケーションで重要な役割を担っている「非言語情報(注1)」の機微を適切に伝送することができる「非言語情報通信」を実現することです。そのためには、心理学や脳科学等を基礎とした非言語情報の研究やXR(注2)コミュニケーション技術の研究に加えて、AI、通信・ネットワークやセキュリティの基盤・応用研究を包括的に推し進める必要があります。「言語情報」のAIが異なる言語の壁を越えるツールとして世界中の多くの人々の役に立ちつつあることを参考に、「非言語情報」のAIをうまく作ることによって、障がい、文化、ジェンダー等のダイバーシティに寄りそう、アクセシブルでインクルーシブな社会(注2)の実現に貢献したいと考えています。

そこで東北大学 電気通信研究所は、これまで所内で研究開発を推進してきたICTの要素技術を戦略的に発展させる事に加えて、学内外・国内外の幅広い知見を結集する学際融合による「非言語情報通信」の研究開発を加速的に進め、成果の確実な社会実装を図るため、サイバー&リアルICT学際融合研究センターを、2023年4月1日に新設し、研究開発に取り組みます。

なお本センターの新設は、文部科学省より、文理横断による総合知の創出・活用を推進するための教育研究組織改革であると評価され、教員人件費等の財政支援を受けて行われます。

図1. 遠隔コミュニケーションのモデル。
遠隔コミュニケーションは、リアルな空間にいる人が遠くのリアルな空間にいる人と電気通信技術を用いてコミュニケーションをするものとモデル化できます。しかし現状の遠隔コミュニケーションのシステムでは大切な非言語情報が欠落してしまうため、豊かなコミュニケーションが実現できているとは言えません。そこで、非言語情報の機微をうまく伝送できる仕組みを実現することによって、人間性豊かなコミュニケーションの実現に貢献します。

【用語解説】

注1.非言語情報
非言語情報は、言語的な情報(話し言葉や書き言葉)以外の情報の全般を指します。コミュニケーションの中では、表面的にやりとりされている言語情報に加えて、それ以外の顔の表情、身体や目の動き、服装、対人距離、場の雰囲気など、様々な非言語情報の交換があります。感情を伝えるコミュニケーションでは、9割を超す情報が言葉ではなく非言語情報によって伝達されるという報告もあるなど、非言語情報がコミュニケーションにおいて大きな役割を担うことが知られています(参考文献1)。非言語情報は非常に多岐に及び、人の感情に直接関係するものから、社会的な関係に依存するまで、また、カメラをONにすればある程度簡単に伝わりやすいものから、現在はまだうまく伝える手段が確立しているとは言えないものまで様々な種類があります。

注2.XR
バーチャルリアリティ(Virtual Reality; VR)、ミクストリアリティ(Mixed Reality; MR)、オーグメンテッドリアリティ(Augmented Reality; AR)等の技術を総称して用いられる用語

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学電気通信研究所 副所長 
サイバー&リアルICT学際融合研究センター長
教授 北村 喜文
TEL: 022-217-5540
E-mail: kitamura*riec.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)


(報道に関すること)
東北大学電気通信研究所 
総務係
TEL: 022-217-5420
E-mail: riec-somu*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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