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世界初 物質中のアルファ線飛跡のリアルタイム画像化に成功 ~アルファ線内用療法など、様々な研究分野への応用に期待~

【本学研究者情報】

未来科学技術共同研究センター
准教授 吉野 将生
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 世界で初めて物質中のアルファ線の飛跡をリアルタイムで画像化することに成功
  • 新しい高分解能放射線イメージング検出器の開発により実現
  • アルファ線内用療法1など、今後様々な研究分野への応用に期待

【概要】

早稲田大学理工学術院の山本 誠一(やまもと せいいち)上級研究員(研究科教授)および片岡 淳(かたおか じゅん)教授らのERATO片岡X線ガンマ線イメージングプロジェクト(研究総括:片岡 淳教授)は、東北大学未来科学技術共同研究センターの吉野 将生(よしの まさお)准教授、鎌田 圭(かまだ けい)准教授、吉川 彰(よしかわ あきら)教授、矢島 隆雅(やじま りゅうが)大学院生、名古屋大学大学院医学系研究科総合保健学専攻の中西 恒平(なかにし こうへい)助教と共同で、高分解能放射線イメージング検出器を開発し、放射線の一種であるアルファ線が物質中を飛んでいる様子(飛跡)を短時間間隔の連続画像(リアルタイム画像)として可視化することに成功しました。アルファ線は、物質中では数十マイクロメートル程度と極めて短い距離しか飛ばないことから、アルファ線の物質中の飛跡をリアルタイムで観察することは、これまで不可能と考えられていました。今回、研究チームが新しいイメージング検出器を開発し、世界で初めてイメージングを可能にしたことで、今後、アルファ線を用いた放射線治療2など、様々な科学分野への応用が期待されます。

 本研究成果は、2023426日(水)午前10時(英国時間・夏時間)にネイチャー・パブリッシング・グループのオンライン総合科学誌『Scientific Reports』で公開されました。

1 開発したイメージング装置の原理図:アルファ線入射によりシンチレータ中に生じる短く微弱な発光を、超高感度カメラと超高倍率画像拡大装置の組み合わせにより、細長い線状の飛跡画像として測定

【用語解説】

1 アルファ線内用療法
アルファ線を放出する放射性物質を患者に投与して、がんを治療する方法

2 放射線治療
がん患者を、放射線を用いて治療する方法。放射線の種類としては、X線やガンマ線、粒子線などが良く使われるが、最近はアルファ線を放出する放射性物質を患者に投与する治療方法の研究が進んでいる。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学未来科学技術共同研究センター
特任准教授(研究) 吉野 将生
TEL : 022-215-2214
E-mail:masao.yoshino.a5*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学 未来科学技術共同研究センター 広報
TEL : 022-795-4004
E-mail: niche-pr*niche.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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