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電力・情報通信融合ネットワークの 実証基盤運用を開始 グリーンでレジリエントな超スマート社会の創造に向けて

【本学研究者情報】

工学研究科(災害研兼務) 
教授 山田博仁
研究者ウェブサイト

〇災害科学国際研究所 
特任教授 岩月勝美
研究者ウェブサイト

〇電気通信研究所(災害研兼務) 
教授 尾辻泰一
研究者ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 電力と情報通信とを連携・融合した「R-EICT ネットワーク」の実証基盤(テストベッド)を青葉山キャンパスに構築し、今年度より運用を開始しました。
  • R-EICT ネットワークは、太陽光発電と蓄電池を用いた自律分散協調1型直流グリッドとローカル 5G注2で構成されるネットワークです。
  • システム運用中の故障や災害に対しても迅速にシステム復旧を可能とし、超スマート社会3におけるグリーンでレジリエント4なスマートシティやコンパクトシティの社会基盤づくりに貢献すると期待されます。

【概要】

超スマート社会の創造に向け、電力と情報通信のネットワークを連携・融合することにより、サイバー空間とフィジカル空間を密接に連携させ、グリーンでレジリエントなスマートシティ5やコンパクトシティ6を実現するための研究開発を災害科学の総合知をベースに推進しています。

東北大学災害国際研究所の尾辻 泰一教授らは、レジリエントを備えたの実現方式とその要素技術の検討を行いました。2023、災害科学国際研究所が本学青葉山キャンパスに、太陽光発電と複数の蓄電池で構成された自律分散協調型直流グリッドと、総務省が導入を推進するローカル5G で構成された R-EICTネットワークのテストベッドを構築し、今年度からその運用を開始しました。

 今後はテストベッドのシステムとしての基本動作を実証し、その結果をベースとして、システムの基本設計を行います。また、災害科学国際研究所は、サイバー空間上にデジタルツイン注7を構築し、防災、医療、MaaS(Mobility as a Service)、農業等への展開を推進します。

図1. 自律分散協調型直流マイクログリッドの全体最適化を実現する電力・通信融合ネットワーク基盤技術の創出。

【用語解説】

注1 自律分散協調:
システムを構成するサブシステムが自律的に個々に動作しつつも、全体としての協調を実現する仕組み。システム運用中の故障や災害に対し、システム全体を止めることなく、不具合を起こしたサブシステムを交換し、迅速にシステム復旧が可能となるため、レジリエントなシステムが実現できる。

注2 ローカル 5G
企業や自治体などが自社専用の 5G 環境として構築・運用できるネットワーク。

注3 超スマート社会
日本が提唱する未来社会のコンセプト。第 5期科学技術基本計画(2016 年度から 2020 年度の範囲)のキャッチフレーズとして登場。サイバー空間フィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、新たな未来社会。

注4 レジリエント
レジリエンスの形容詞。レジリエンスとは、一般的には「困難に負けない」という意味。災害やテロなど想定外の事態で社会システムや事業の一部機能が停止しても、「全体としての機能を速やかに回復できるしなやかな強靭さ」を表わす言葉であり、防災や事業継続計画(BCP)だけではなく、国家戦略、事業戦略に組み込むことで競争力強化を図ることができる概念。

注5 スマートシティ
IoT の先端技術を用いて、基礎インフラと生活インフラ、生活サービスとを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら、人々の生活の質を高め、継続的な経済発展を目的とした新しい都市。

注6 コンパクトシティ
都市的土地利用の郊外への拡大を抑制すると同時に中心市街地の活性化が図られた、生活に必要な諸機能が近接した効率的で持続可能な都市。

注7 デジタルツイン
現実の世界から収集した、さまざまなデータを、まるで双子であるかのように、コンピュータ上で再現する技術

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学災害科学国際研究所
教授 尾辻泰一
TEL: 022-217-6104
E-mail: taiichi.otsuji.e8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学災害科学国際研究所
OPERA支援室
室長 栗原尚志
TEL: 022-752-2007
E-mail: irides-shien*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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