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タンパク質凝集体の凝集度(固さ)が細胞死誘導の決定因子であることを発見 -特定の構造を含む化合物が凝集体をほぐして神経細胞死を抑制-

【本学研究者情報】

大学院薬学研究科 衛生化学分野
教授 松沢厚

研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 神経変性疾患の原因となるパータナトス(注1)とよばれるプログラム細胞死の感受性が、タンパク質凝集体の凝集度(固さ)によって決定されることを見出しました。
  • カテコール(注2)骨格を有する低分子化合物YM435は、タンパク質凝集体の凝集度を低下させる(流動性を上げる)ことでパータナトスを抑制することが明らかとなりました。
  • 本研究成果は、カテコール骨格を含む化合物が、神経変性疾患の新たな治療薬となる可能性を明らかにしました。

【概要】

 細胞内に蓄積した変性タンパク質の凝集体は、パーキンソン病などの神経変性疾患の原因となります。近年、神経変性疾患にパータナトスとよばれる非典型的なプログラム細胞死が関与することが注目されています。パータナトスは細胞内に蓄積したタンパク質凝集体で起こることが先行研究で解明されていました。

 東北大学大学院薬学研究科の濱野修平大学院生、野口拓也准教授、松沢厚教授らの研究グループは、今回、パータナトスの感受性がタンパク質凝集体の凝集度(固さ)によって決定されることを見出しました。カテコール骨格を有する低分子化合物YM435は、タンパク質凝集体の凝集度を低下させる(流動性を上げる)ことでパータナトスを抑制しました。本研究は、不明点の多いパータナトス誘導機構に関する新知見であるとともに、カテコール骨格を含む化合物が神経変性疾患の新たな治療薬となることが示唆されました。

 本研究の成果は、2024年2月12日に細胞死に関する専門誌 Cell Death Discoveryに掲載されました。

図1. 本研究で明らかになった分子モデル

【用語解説】

注1. パータナトス:
DNA損傷応答因子PARP-1の過剰活性化によって引き起こされるプログラム細胞死で、近年新たに見出された。PARP-1の過剰活性化は特に神経細胞で見られており、パーキンソン病などの神経変性疾患の原因の1つであると考えられている。

注2. カテコール:
ベンゼン環上のオルト位にヒドロキシ基を2つ有する有機化合物。構造中にカテコールを骨格として持つ化合物の幾つかは、タンパク質凝集体などの凝集抑制作用や抗酸化作用などの作用を有することが報告されている。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院薬学研究科
教授 松沢厚
TEL:022-795-6827
Email: atsushi.matsuzawa.c6*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科
総務係
TEL: 022-795-6801
Email: ph-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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