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女性のQOL向上へ ー 肌のこすれ(摩擦)を低減する生理用ナプキンの開発に大学院工学研究科の山口研究室 / 西研究室が貢献

大学院工学研究科の山口 健 教授および西 駿明 准教授らの研究グループは、摩擦制御と人間の運動解析を通して、ライフサポートや医療、スポーツの分野での課題解決と価値創出のための研究に取り組んでいます。

こうした研究成果を社会に役立てるべく、このたび大王製紙株式会社との共同研究を通じて、吸収体の内部が動くことで肌のこすれを軽減できる「スライドフィット吸収体」を搭載した生理用ナプキンの開発に貢献しました。研究グループは、肌を模擬した人工皮膚片とナプキンが接触する際の摩擦係数と人工皮膚片のひずみを同時計測する技術を用いて、スライドフィット吸収体の摩擦と肌のひずみ低減効果を定量的に評価しました。その結果、「スライドフィット吸収体」を搭載した生理用ナプキンは、人工皮膚との摩擦係数を低減し、それに伴い肌への負担も軽減できることが明らかになりました。

生理に伴う負担や困難は個人だけが抱えるものではなく、社会全体で向き合うべき課題です。この認識が広まりつつある今、生理用品の進化は、女性の健康や社会参加を支える重要な役割を果たします。本研究の実用化は、月経期間中のQOL(生活の質)を高め、女性があらゆる場面で自分らしく活動できる社会の実現を後押しするもので、よりインクルーシブな社会の構築につながると期待されます。

研究に関する参考情報
  • 白鳥貴之,伊東莉菜,倉持美帆子,山口健,生理用品における肌への摩擦刺激低減に関する研究,設計工学,58, 8 (2023)358-361.
  • 松井健汰,西駿明,伊東莉菜,倉持美帆子,藤田雅也,山口健,肌への摩擦刺激低減を意図した生理用品内部への低摩擦界面導入,日本設計工学会2024年度秋季大会研究発表講演会,2024年9月22日,北見. など

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問い合わせ先

【広報に関すること】
大学院工学研究科情報広報室
Email: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

【研究に関すること】
大学院工学研究科ファインメカニクス専攻 教授 山口 健
TEL: 022-795-6897
Email: takeshi.yamaguchi.c8*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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