2025年 | プレスリリース・研究成果
硫化物系電池材料の特性を巡る長年の謎を解明 規則・不規則構造の硫化物系材料の充放電反応機構の詳細解析
【本学研究者情報】
〇国際放射光イノベーション・スマート研究センター 教授 高橋幸生
国際放射光イノベーション・スマート研究センター 准教授 石黒志
国際放射光イノベーション・スマート研究センター 助教 阿部真樹
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 電池材料の性能を巡る長年の論争に終止符
- リチウム過剰硫化物系材料の充放電反応機構の実験・理論的解析
- 次世代の高性能電池材料開発の実現に繋がる成果
【概要】
横浜国立大学 藪内直明教授、名古屋工業大学 中山将伸教授、島根大学 尾原幸治教授、東北大学 髙橋幸生教授、群馬大学 鈴木宏輔准教授、立命館大学 SRセンター、National Synchrotron Radiation Research Center (台湾) からなる研究グループは、構造の規則・不規則性を制御したリチウム過剰系硫化物材料の充放電反応機構を実験・理論の観点から詳細に解析しました。その結果、構造の不規則化が鍵となり、硫化物イオンにおいて電子の非局在化が進行することで電子伝導性の向上と電池性能の高性能化に繋がることを明らかにしました。これは、従来層状構造の限界を超える、次世代の電池材料設計指針の確立とリチウムイオン電池の高性能化実現が期待できる研究成果です。
本研究成果は、米国化学会の科学雑誌 「Journal of the American Chemical Society」誌に2025年7月15日(米国東部時間)にオンラインで掲載されました。

横浜国立大学・名古屋工業大学らの研究グループにおける硫化物系リチウム過剰材料 (Li2TiS3) に関する研究成果の概要図、左: Li2TiS3の充放電曲線の比較 (上: 層状 下: 岩塩型)、右: Li2TiS3の結晶構造と局所構造の違い (上: 層状 下: 岩塩型)
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター
(東北大学多元物質科学研究所、東北大学金属材料研究所 兼務)
教授 高橋 幸生(たかはし ゆきお)
TEL: 022-217-5166
E-mail:ytakahashi*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学 多元物質科学研究所 広報情報室
TEL: 022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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