2026年 | プレスリリース・研究成果
ソルガム残渣を分解・糖化する酵素群の全容解明! ―微生物酵素による環境にやさしいブタノール製造に期待―
【本学研究者情報】
〇グリーンクロステック研究センター 兼 大学院工学研究科
教授 田丸 浩
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- セルロース系バイオマスは環境にやさしいエネルギー源として期待されていますが、その分解・糖化には、基質特異性の異なる複数の糖質分解酵素が必要となります。
- 資源作物ソルガムの搾りかす(バガス)を対象とした嫌気性セルロソーム生産菌Clostridium cellulovorans由来の酵素群の解明を目指しました。
- 未処理と前処理をしたソルガムバガスに加えて、各種炭素源(グルコースなど)を添加した培地で誘導される超酵素複合体セルロソームとフリー酵素(ノンセルロソーム)について、プロテオーム解析で全容を明らかにしました。
【概要】
植物の細胞壁の主成分リグノセルロース系バイオマスの分解・糖化には基質特異性の異なる複数の糖質加水分解酵素の存在とそれらの相乗効果が必須です。
グリーンクロステック研究センターのSahar Hamido特任助教、同センター兼大学院工学研究科の田丸浩(ゆたか)教授、東北大学東北メディカル・メガバンク機構の菱沼英史助教(未来型医療創成センター兼任)、松川直美学術研究員、三重大学大学院生物資源学研究科博士後期課程3年のMohamed Yahia Eljonaid氏、同研究科の岡﨑文美准教授の研究チームは、資源作物として注目されているソルガム(Sorghum bicolor)の搾汁かす(バガス)の分解・糖化に有効な嫌気性セルロソーム生産菌Clostridium cellulovorans由来の酵素群のプロテオーム解析に成功しました。今後はさまざまなセルロース系バイオマスに対応した分解・糖化用酵素カクテルの開発が期待でき、バイオリファイナリー(注1)によるグリーンケミカル製造の進展が期待されます。
本研究成果は、2025年12月3日に、学術誌International Journal of Molecular Sciencesで公開されました。
図1.SDSゲル電気泳動による C. cellulovorans (C.c) 培養上清中の分泌たんぱく質の解析
レーンM、分子量マーカーを示す。
レーン1、0.5%セロビオース含有C.c培地、2日間培養の培養上清。
レーン 2、1%濾紙含有C.c培地、7日間培養の培養上清。
レーン3、1%ソルガムバガス含有 C.c培地、7 日間培養の培養上清。
レーン4、1%酸―ブタノール処理ソルガムバガス含有C.c培地、7 日間培養の培養上清。
レーン5、1%アルカリ処理ソルガムバガス含有C.c培地、7 日間培養の培養上清。
3.1、3.3、4.1、4.3、5.1および5.3で囲まれたバンドをそれぞれ切り出してLC-MS/MS分析に供した。
【用語解説】
注1. バイオリファイナリー:バイオマスを資源として活用した生産技術や産業の総称。
【論文情報】
タイトル:Proteomic Characterization of the Clostridium cellulovorans Cellulosome and Noncellulosomal Enzymes with Sorghum Bagasse
著者:Mohamed Yahia Eljonaid, Fumiyoshi Okazaki, Eiji Hishinuma, Naomi Matsukawa, Sahar Hamido and Yutaka Tamaru
*責任著者:
東北大学グリーン未来創造機構 グリーンクロステック研究センター
教授 田丸 浩(たまる ゆたか)
掲載誌:International Journal of Molecular Sciences
DOI: 10.3390/ijms262311728
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学グリーン未来創造機構
グリーンクロステック研究センター教授 田丸 浩
TEL: 022-795-5863
Email: yutaka.tamaru.c3*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学グリーン未来創造機構
グリーンクロステック研究センター事務室
Email: green-x-tech*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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