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科学論文の図表を読み解き、有効に利活用するAIワークフローDIVEを開発 ―水素貯蔵材料等の研究を加速―

【本学研究者情報】

〇材料科学高等研究所 教授 Hao Li
研究室ウェブサイト

〇材料科学高等研究所 所長(金属材料研究所 教授) 折茂 慎一
 研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 水素貯蔵材料の研究論文にある図表から実験データを読み取り、構造化するマルチエージェントAI(注1ワークフローDIVE (Descriptive Interpretation of Visual Expression) を開発しました。
  • 4,000報超の文献から30,000件超のデータを抽出、整備し、AIエージェント基盤DigHyd (Digital Hydrogen Platform) として構築、公開しました (www.dighyd.org)
  • 整備したデータを活用して、短時間で水素貯蔵のための新しい候補材料の提案が可能になることを実証しました。

【概要】

近年、データ駆動型人工知能(AI)は、新しい材料探索を効率よく行うことができる技術として注目されています。しかし、材料研究の重要な実験データは、論文中の図に画像化された状態で存在することが多く、有効に利用することが難しい状況でした。

東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の李昊(Hao Li)教授、折茂慎一 所長(同大学金属材料研究所 教授)、東京大学大学院工学系研究科の佐藤龍平助教らの研究チームは、科学論文中の図表から実験データを体系的に読み取り、科学的に解釈した上で構造化できるマルチエージェントAIワークフローDIVEを開発しました。さらに、水素貯蔵材料(注2を対象に、DIVEを用いて4,000報以上の文献から30,000件を超えるデータを抽出し、コンピューター処理可能なデータベースとして整備することで、約2分という短時間で水素貯蔵のための新しい候補材料を提案することができる逆設計(注3ワークフローを確立しました。これにより図表に閉じ込められていた科学データを有効に利活用することで、AI駆動型の材料探索が加速することが期待できます。本研究成果は、2026年2月3日(現地時間)に学術誌Chemical Science誌に掲載されました。

図1. DIVEのマルチエージェントワークフロー(右上)と従来手法(左上)の比較、および水素貯蔵材料データベースにおける収集文献の分布(下)

【用語解説】

注1. マルチエージェントAI:複数のAIが役割分担し、協調してタスクを進める仕組み。

注2. 水素貯蔵材料:金属材料などの内部に高密度かつ安全に水素を取り込み(吸蔵する)、必要に応じてはき出す(放出する)材料。

注3. 逆設計(インバースデザイン):目的の性能を満たす材料組成や構造を、データから逆算して探索する方法。

【論文情報】

タイトル:"DIVE" into Hydrogen Storage Materials Discovery with AI Agents
著者:Di Zhang*,Xue Jia,Tran Ba Hung,Seong Hoon Jang,Linda Zhang,Ryuhei Sato,Yusuke Hashimoto,Toyoto Sato,Kiyoe Konno,Shin-ichi Orimo*,Hao Li*
*責任著者:東北大学 材料科学高等研究所 教授 李 昊(Hao Li)
東北大学 材料科学高等研究所 所長 折茂 慎一
掲載誌:Chemical Science
DOI:10.1039/d5sc09921h

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学材料科学高等研究所
所長 折茂 慎一
TEL: 022-215-2093
Email: shin-ichi.orimo.a6*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

東北大学材料科学高等研究所
教授 李 昊(Hao Li)
Email: li.hao.b8*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学材料科学高等研究所
広報戦略室
TEL: 022-217-6146
Email: aimr-outreach*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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