2026年 | プレスリリース・研究成果
AI搭載のポータブル眼科検査システムを開発― 場所を選ばない眼科スクリーニングにより白内障などの早期発見へ ―
【本学研究者情報】
〇東北大学大学院医学系研究科
眼科学分野 教授 中澤 徹
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 本検査システムでは、既存の眼科検査機器と同等の高い解析精度を低コストで実現しました。
- ネット環境が不要で、軽量のAIを搭載していることから、通信環境のない医療過疎地域や災害時における高度な補助診断の実現に寄与します。
- 自撮り機能を備えた扱いやすい設計のため駅や商業施設での「眼科健診」が可能となり、日常生活における医療へのアクセスの向上につながることが期待されます。
【概要】
東北大学大学院医学系研究科の中澤徹教授らの研究グループは、前眼部(注1)を観察する細隙灯検査(注2)が可能な、場所を選ばない小型AI搭載システムの開発に成功しました。独自開発の軽量AIにより、通信環境のない場所においても高精度な補助診断の実現が期待されます。また、従来の細隙灯検査に用いられている細隙灯顕微鏡に対し約6分の1の低コスト化を実現しました。さらに、検査者が自ら操作できる自撮り機能を搭載したことによって、専門医のいない健診・福祉施設や駅などの公共施設でのスクリーニングが可能となり、白内障や緑内障の早期発見に寄与します。本システムは、国内外の医療格差を是正し、人々の生活の質(QOL)向上に大きく貢献することが期待されるため、今後実用化に向け社会実装を目指すものです。
本研究成果は2026年3月17日にScientific Reportsに掲載されました。
図1. 検査の有用性
あらゆるところで検査ができ、多くの疾患を発見
【用語解説】
注1. 前眼部
眼球の前側にあたる部分で、角膜、虹彩、水晶体などから形成されます。
注2. 細隙灯検査
顕微鏡を用いて眼球に細い光を当て、組織を観察する眼科の代表的な診察方法です。
【論文情報】
タイトル:Portable AI-powered scanning slit-light device for low-cost eye disease screening
著者:Neelam Kaushik*, Parmanand Sharma*, Takehiro Miya, Noriko Himori, Masataka Sato, Satoru Tsuda, and Toru Nakazawa*
*責任著者:東北大学大学院医学系研究科 眼科学分野 助教 シャルマ ニーラムコーシック、東北大学病院 眼科 准教授 Sharma Parmanand(シャルマ パーマナント)、東北大学大学院医学系研究科 眼科学分野 教授 中澤 徹
掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/s41598-026-44392-w
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科
眼科学分野
教授 中澤 徹(なかざわ とおる)
TEL: 022-717-7294
Email: toru.nakazawa.e1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
東北大学病院広報室
TEL: 022-717-8032
Email: press.med*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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