2026年 | プレスリリース・研究成果
留学生の健康状態はヘルスリテラシーに左右される可能性 -日本の大学生を対象とした調査で明らかに-
【本学研究者情報】
〇産学連携機構 イノベーション戦略推進センター
特任教授 永富 良一
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 日本の大学に在籍する留学生は、日本人学生より良好な健康状態の割合が低いことが示されましたが、健康に関する情報を理解し活用する能力「ヘルスリテラシー(注1)」を考慮するとその差は消失しました。
- ヘルスリテラシーが高い学生に限ると、留学生の方が日本人学生よりも健康状態が良好であることが明らかとなりました。
- 留学生の健康格差は「国籍」ではなく「ヘルスリテラシー」が関連している可能性が示されました。留学生の健康支援において、国籍に基づく支援ではなく、ヘルスリテラシー向上を中心とした支援の必要性が示唆されました。
【概要】
日本在住の外国人や留学生は言語や文化、医療制度の違いなどにより健康上の課題を抱えやすいことが知られていますが、その背景要因の詳細は十分に明らかになっていませんでした。
東北大学大学院医学系研究科運動学分野の山田陽介教授、同大学大学院農学研究科食科学国際共同大学院のAdeoya Akindele助教(研究当時 同分野大学院生)、 国立医薬品基盤・健康・栄養研究所の門間陽樹ウェルビーイング室長(研究当時 同分野准教授)、同大学産学連携機構イノベーション戦略推進センターの永富良一特任教授(研究当時 同分野教授)らは、日本の大学生を対象に、国籍と健康状態の関連を検討し、その関連におけるヘルスリテラシー(健康情報を理解・活用する能力)の役割を明らかにしました。全国6地域の大学生1,366名を対象としたオンライン調査の結果、日本人学生と比較して留学生は良好な健康状態の割合が低いことが示されました。しかし、ヘルスリテラシーを考慮するとこの差は消失し、さらにヘルスリテラシーが高い学生に限ると、留学生の方が日本人学生よりも健康状態が良好であることが明らかとなりました。これらの結果は、留学生の健康格差は国籍そのものではなく、ヘルスリテラシーの違いによって生じている可能性を示しています。
本研究成果は、2026年3月26日にAnnals of Medicineに掲載されました。
図1. 研究の概要図
【用語解説】
注1. ヘルスリテラシー: 健康に関する情報を理解し活用する能力。日本の医療制度や健康情報へのアクセス方法などの知識とその理解など。
【論文情報】
タイトル:The role of health literacy in the association between nationality and health status among university students: a cross-sectional study
著者:Akindele Abimibayo Adeoya*, Haruki Momma, Ryoichi Nagatomi, Yosuke Yamada
掲載誌:Annals of Medicine
DOI: 10.1080/07853890.2026.2643976
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学産学連携機構
イノベーション戦略推進センター特任教授
(研究当時 同大学大学院医学系研究科運動学分野教授)
永富 良一
TEL: 022-752-2191
Email: ryoichi.nagatomi.c4*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
TEL: 022-717-8032
Email: press.med*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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