2026年 | プレスリリース・研究成果
石灰化筋壊死症を再現する新規マウスモデルを確立
【本学研究者情報】
〇大学院歯学研究科生体材料理工学分野 教授 鈴木治
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 重度の外傷を受けた後、筋肉に"本来は存在しない硬い組織"が形成される「石灰化筋壊死症注1)」の症状は年単位で続くことがあり、効果的な治療法が待望されています。
- マウスの筋肉にヘビ毒の一種であるノテキシン注2)を注射すると、数日以内に形成された硬組織が一年以上残存し、石灰化筋壊死症を再現できることを発見しました。
- ノテキシンを注射された筋肉では炎症センサーであるインフラマソームが活性化して、硬組織の形成、すなわち筋肉の石灰化を促進すると考えられます。
- この硬組織は骨や歯と同様にヒドロキシアパタイトを成分としますが、骨芽細胞や骨髄細胞が関与しない、新規のメカニズムで生成されることを明らかにしました。
- 本マウスモデルにより、石灰性筋壊死症の研究が飛躍的に進むと期待されます。
【概要】
埼玉医科大学(学長 竹内 勤)医学部ゲノム基礎医学の倉谷麻衣助教、塚本翔講師、片桐岳信教授らの研究グループは、外傷後に筋肉が石灰化し、長期間にわたり体内に残存する「石灰化筋壊死症」を再現する新しいマウスモデルの確立に成功しました。本研究は、東北大学(総長 冨永 悌二)大学院歯学研究科(生体材料理工学分野の鈴木治教授、濱井瞭講師、土屋香織学術研究員)、および埼玉医科大学医学部病理学(山田健人教授)との共同研究による成果です。
本研究結果は2026年4月22日号のPLOS One誌にオンライン掲載されます。
図1.ノテキシン注射後に生じるマウス下肢筋石灰化の経時的変化
(Kuratani et al., 2026, DOI:10.1371/journal.pone.0346816より改変)
【用語解説】
注1)石灰化筋壊死症
外傷や骨折、手術などを契機として、筋肉組織が壊死した部位に硬組織が形成される疾患であり、主に下肢の筋肉で報告されている。形成された硬組織は症状が落ち着いた後も何十年にもわたり残存することがある。
注2)ノテキシン(notexin)
オーストラリアに生息するタイガースネークの毒に含まれる毒素。筋肉の細胞を壊す作用が強く、筋肉の再生過程を解析する実験でも使用されている。
【論文情報】
タイトル:論文名:In vivo mouse model of calcific myonecrosis induced by injury
雑誌名:PLOS One
著 者:Mai Kuratani, Sho Tsukamoto Ryo Hamai, Kaori Tsuchiya, Osamu Suzuki, Taketo Yamada and Takenobu Katagiri
DOI:10.1371/journal.pone.0346816
問い合わせ先
東北大学大学院歯学研究科 広報室
TEL: 022-717-8260
Email: den-koho@grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

![]()
東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています