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通信不要で賢く判断するAIへ少量データで動く省電力技術を開発―Few-shot学習と知識蒸留で精度向上と消費電力削減を両立―

【本学研究者情報】

〇電気通信研究所 准教授 鬼沢直哉
ウェブサイト

【発表のポイント】

  • わずかなデータでも高精度に認識可能なAI技術を開発しました。
  • 精度を最大14%向上させつつ、大幅なモデルの軽量化を実現しました。
  • 消費電力を約37%削減し、現場で使えるAIを実現しました。
  • 通信不要で動作可能なエッジAI(注1)の実用化に貢献します。
  • AIの課題である「大量データ依存」の解決につながる成果です。

【概要】

AIは近年急速に高性能化していますが、その一方で、大量の学習データや高い計算能力、さらには大きな電力消費を必要とすることが課題となっています。特に、通信環境が制限される現場やリアルタイム処理が求められる状況では、クラウドに依存しない軽量かつ省電力なAI技術の実現が求められています。

東北大学 電気通信研究所の鬼沢直哉准教授、羽生貴弘教授の研究グループと、フランスIMT Atlantique大学のVincent Gripon教授の研究グループは、こうした課題を解決するため、少量のデータから効率的に学習できるFew-shot学習(注2)と、大規模AIモデルの知識を小型モデルに転移する知識蒸留(注3)を組み合わせた新しいAI技術を開発しました。
本手法では、軽量なAIモデルでありながら高い認識性能を実現し、画像認識の評価実験において、従来手法と比較して最大約14%の精度向上を達成しました。また、実機評価では消費電力を約37%低減しつつ、高速処理(2.6ミリ秒)を実現しました。 これらの成果により、本技術は通信環境に依存せず現場で動作可能な「エッジAI」の実用化を前進させるものです。医療、製造、インフラ監視など幅広い分野での応用が期待されます。

本研究成果は、2026年5月4日から8日に開催される信号処理に関する分野の国際会議ICASSP 2026において発表され、5月5日に発表予定です。

図1. 従来AIと本研究手法の比較 従来は大量データと高い計算資源を必要としたのに対し、本研究では少量データで学習可能かつ省電力で動作するエッジAIを実現。

【用語解説】

注1.エッジAI
クラウドではなく、端末(エッジ)上でAI処理を行う技術。

注2.Few-shot学習
少量のデータ(数枚〜数十枚程度)からでも学習できるAI技術。

注3.知識蒸留
大規模なAIモデルの知識を小型モデルに引き継ぐ技術。

【論文情報】

タイトル:Efficient Few-Shot Learning for Edge AI via Knowledge Distillation on MobileViT
著者:Shuhei Tsuyuki, Reda Bensaid, Jérémy Morlier, Mathieu Léonardon, Naoya Onizawa*, Vincent Gripon, Takahiro Hanyu
*責任著者:東北大学電気通信研究所 准教授 鬼沢直哉
掲載誌:ICASSP 2026(IEEE International Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing)
URL: https://2026.ieeeicassp.org/

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学電気通信研究所
准教授 鬼沢直哉
TEL: 022-217-5546
Email: naoya.onizawa.a7*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学電気通信研究所 広報室
TEL: 022-217-5427
Email: riec-kohoshitsu*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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