本文へ ナビゲーションへ
ここから本文です

敵か味方か?人間とAIにおける 「社会的意図」認識のギャップを解明

【本学研究者情報】

〇電気通信研究所サイバー&リアルICT学際融合研究センター 特任助教 Miao Cheng
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • AIには他者の身体の動きの「社会的意図」を人間と同様には理解することができない「アライメント・ギャップ(認識のズレ)(1)」が存在することを発見しました。
  • 日本と台湾の役者によるモーションキャプチャデータを分析した結果、大きな動き(高エネルギー)の敵意は国籍や文化を越えて共通に伝わる一方、小さな動き(低エネルギー)の敵意は文化的背景を共有する集団にしか伝わらない「文化の方言」として機能することを解明しました。

【概要】

遠くから近づいてくる人が「敵」か「味方」かを瞬時に見分けることは、人間の根源的な生存スキルです。人間は声や顔表情が無くとも、ごく小さなボディランゲージから相手の「社会的意図」を難なく読み取ることができますが、人工知能(AI)にとってこれは依然として困難な課題です。

東北大学 電気通信研究所サイバーリアルICT学際融合研究センターの程 苗(Miao CHENG)らの研究チームは、人間の身体的な社会的意図の認識に関する新たな評価基準を構築しました。そして、脅威を伝える際の身体運動のエネルギーレベルによる普遍性と文化特異性(方言)の違いを明らかにしました。さらに、最先端の深層学習モデルは表面的な動作パターンを高い精度で分類できるものの、人間が他者の意図を推論する際の認知プロセスとは大きく乖離している「アライメント・ギャップ」が存在することを突き止めました。本研究は、今後の人間とAI・ロボットの安全なインタラクションにおいて、AIが人間の社会的認識にいかに近づくべきかという重要な指針を示すものです。

本研究成果の論文は、2026年5月25日~29日に京都で開催される国際会議20th IEEE International Conference on Automatic Face and Gesture Recognition (FG 2026) に採択され、ポスター発表されます。論文はIEEE Xplore で公開されます。

図1. 研究概要

【用語解説】

注1. アライメント・ギャップ(Alignment Gap):AIによる予測や分類の確信度が、人間の実際の知覚、判断基準、認知プロセスと一致していない状態のこと。

【論文情報】

タイトル: Friend or Foe? Benchmarking Human Perception and ST-GCN Decoding of Embodied Social Intention
著者: Miao Cheng*, Zhan Dai, Victor Schneider, Kanta Ozawa, Yangyang Cai, Ken Fujiwara, Yoshifumi Kitamura, Chia-huei Tseng
掲載誌: Proceedings of the 20th IEEE International Conference on Automatic Face and Gesture Recognition (FG 2026)
DOI:To be confirmed (IEEE Xplore digital library で公開予定)
国際会議URL:https://fg2026.ieee-biometrics.org/

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学 電気通信研究所
サイバー&リアルICT学際融合研究センター
特任助教 程苗(Cheng Miao)
Email: cheng*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学 電気通信研究所
サイバー&リアルICT学際融合研究センター 教授 曾加蕙(Chia-huei Tseng)
Email: tseng*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学 電気通信研究所 広報室
TEL: 022-217-5427
Email: riec-kohoshitsu*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

sdgs_logo

sdgs9 sdgs10 sdgs17

東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています