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ARとAIで無形文化遺産「生け花」の実践を支援 ― テクノロジーは文化学習の支援的なパートナーとなり得る ―

【本学研究者情報】

〇電気通信研究所 学術研究員 Wang Xiyue
ウェブサイト

【発表のポイント】

  • AR(注1)とAI(注2)を活用した生け花の自主練習支援システム「HanaARrange」を開発しました。
  • 実際の花材にARの3Dイメージを重ねて花の配置や角度を示し、AIガイドが助言や解説を通じて学習者の振り返りと創造性を促します。
  • 実証実験により、精神的な負担を増やさず上達を助け、伝統的な稽古と同じ落ち着いた体験が保たれることを確認しました。
  • ARとAIを活用したこの取り組みは、生け花に限らず、さまざまな無形文化遺産の継承を支える新たなモデルとなることが期待されます。

【概要】

「華道」とも呼ばれる日本の伝統的な花のアレンジメント芸術である生け花は、創造性、マインドフルネス、そして美的感覚を育む、日本の無形文化遺産の重要な形態の一つです。しかし初心者には、自然との調和やバランス、緻密な空間構成の感覚を養うため、師範のもとでの長期的な修業や、教室内外での繰り返しの練習が求められます。こうした背景から愛好家は減少傾向にあります。

東北大学電気通信研究所サイバー&リアルICT学際融合研究センターの王溪月学術研究員らの研究グループは、生花を使った自主練習とAIによるフィードバックをサポートする「HanaARrange」という新しい拡張現実ARシステムを開発しました。花のアレンジメントをデジタルでシミュレートする従来のバーチャルリアリティVRシステムとは異なり、「HanaARrange」は、実際の生け花材料に視覚的なガイダンスを直接重ね合わせることで、生け花ならではの触覚的な体験を再現します。ユーザーはARヘッドセットを装着し、実際の花や枝を使って練習しながら、花の角度、空間構成、アレンジメントのガイダンスを確認できます。このシステムは、単に完成した作品に点数をつけるだけでなく、AIを活用したフィードバックや解説を提供することで、内省と創造性を促すように設計されています。

本研究成果の論文は、2026年6月13日~17日にシンガポールで開催された国際会議 ACM Designing Interactive Systems Conference (DIS 2026) に採択され、口頭発表されました。さらに本論文は、全発表のうち上位5%にのみ与えられる Honorable Mention Awardを受賞しました。

図1. 生け花のお稽古の様子。生け花は、経験豊富な師範の指導を受けるために教室へ通う古典的な日本芸術で、都会の人々に自然とつながる手段を提供し、ウェルビーイングに直接的な影響を与える。しかし、生け花の先生がいない地域では様々なアクセス上の障壁があり、いけ手の減少という課題に直面している。

【用語解説】

注1. AR: Augmented Reality、拡張現実。カメラ等を通して捉えた現実世界に、デジタル情報を重ね合わせて表示する技術

注2. AI: Artificial Intelligence、人工知能。学習・推論・判断など人間の知的な働きをコンピュータ上で実現する技術

【論文情報】

タイトル: HanaARrange: Designing an Augmented Reality Support System for Daily Ikebana Practice and Well-being
著者: Xiyue Wang, Zeynep Eda Altintop, Derek Kirschbaum, Yoshifumi Kitamura, Miao Cheng, Chiahuei Tseng
*責任著者: 東北大学電気通信研究所 サイバー&リアルICT学際融合研究センター 学術研究員 Wang Xiyue、同教授 Chia-huei tseng
掲載誌: Proceedings of the 2026 ACM Designing Interactive Systems Conference (DIS '26).
DOI: 10.1145/3800645.3812940

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学 電気通信研究所
サイバー&リアルICT学際融合研究センター
学術研究員 王 溪月(ワン シユエ)
Email: wang.xiyue.c2*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学 電気通信研究所
サイバー&リアルICT学際融合研究センター
教授 曾加蕙 (チャーフェイ ツェン)
Email: tseng*riec.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学 電気通信研究所 広報室
TEL: 022-217-5427
Email: riec-kohoshitsu*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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