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抗体ミメティクス結合薬(AMDC)とATR阻害剤の併用により100日以上の完全腫瘍制御を達成

【本学研究者情報】

〇大学院薬学研究科 教授 徳山英利
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 独自に開発した抗体ミメティクス結合薬(AMDC)とATR阻害剤を組み合わせることで、HER2陽性乳がんモデルにおいて100日以上の完全腫瘍退縮を達成しました。
  • ATR阻害剤との併用により、がん細胞のDNA修復機能を抑え、がん細胞を効率よく死滅させる新たな作用機序を明らかにしました。
  • 本研究は、AMDCとDNA損傷応答(DDR)阻害剤を組み合わせた新しい分子標的治療法の有効性を示す初めての非臨床的な実証(Proof of Concept)であり、今後、他のがんを対象としたAMDC治療への展開も期待されます。

【概要】

岩手医科大学医歯薬総合研究所、東京大学、東北大学、千葉大学、星薬科大学、株式会社CompleCureからなる共同研究グループは、HER2標的抗体ミメティクス結合薬(AMDC)とATR阻害剤を組み合わせた新しい分子標的治療戦略を開発し、HER2陽性乳がんマウスモデルにおいて100日以上にわたる完全腫瘍退縮を達成しました。

本研究では、HER2標的AMDCにDNAアルキル化剤デュオカルマイシンを搭載し(Duo-HER2)、ATR阻害剤を併用することで、DNA複製ストレスを増強し、Replication catastropheを介した強力な抗腫瘍効果が誘導されることを示しました。

また、3種類の臨床開発中ATR阻害剤すべてでAMDCとの相乗効果が確認され、細胞周期解析ではS期停止が認められました。さらに、アポトーシス解析の結果と併せて、Replication catastropheを介した細胞死が誘導されることが示唆されました。これらの結果は、AMDCとATR阻害剤との組み合わせが合成致死的に作用することを支持しています。

本成果は、HER2標的AMDCとATR阻害剤を組み合わせたDNA損傷応答(DDR)標的治療の有効性を示す非臨床Proof of Conceptであり、本研究グループでは現在、この治療コンセプトを他の分子標的AMDCへ展開する研究を進めています。

本研究成果は、2026年7月6日に国際学術誌Cancer Medicineにオンライン掲載されました。

図1 Duo-HER2とATR阻害剤の併用による合成致死誘導作用 複製ストレスを誘発するデュオカルマイシン搭載抗体ミメティクス薬物複合体(AMDC)と、複製ストレス応答を阻害するATR阻害剤との併用は、がん細胞においてReplication catastropheを介した合成致死的抗腫瘍効果を誘導することによって、腫瘍を退縮することが示唆された。

【論文情報】

タイトル:Duocarmycin‐Bearing Antibody‐Mimetic Drug Conjugate Combined With an ATR Inhibitor Results in Complete Tumor Regression in a KPL‐4 Xenograft Model
著者: Toshiya Tanaka†, Akira Sugiyama†,*, Juri Sakata†, Toshifumi Tatsumi†, Hiroto Katoh†, Keisuke Maeda, Yuya Inagaki, Takefumi Yamashita, Takeshi Kawamura, Mayu Kuratani, Taiki Nakano, Masazumi Ishii, Mai Miura, Wakana Kamiya, Yuko Shiratori, Hisato Kitanoya, Michael Chansler, Naoki Harada, Masayuki Tsuchiya, Tsuyoshi Osawa, Shumpei Ishikawa, Tatsuhiko Kodama, Kenzo Yamatsugu, Hidetoshi Tokuyama & Motomu Kanai (†共同筆頭著者、*責任著者)
掲載誌:Cancer Medicine
DOI:10.1002/cam4.72071

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(報道に関すること)
東北大学大学院 薬学研究科総務係
TEL:022-795-6801
Email:ph-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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