2026年 | プレスリリース・研究成果
中高年層における歯の喪失本数と循環器疾患の関連を明らかに ―1〜4本の喪失でも、循環器疾患リスクが上昇―
【本学研究者情報】
〇大学院歯学研究科 講師 草間太郎
ウェブサイト
【発表のポイント】
- これまでの研究から、歯を多く失っている人では循環器疾患のリスクが高いことが明らかにされていましたが、中高年層における少数の歯の喪失と循環器疾患のリスクとの関連は明らかではありませんでした。
- 本研究では40〜64歳の中高年層を対象に、追跡開始時点での喪失歯数とその後の循環器疾患リスクの量・反応関係(注1)について検討しました。
- その結果、喪失歯が1〜4本の範囲で循環器疾患のリスク上昇が大きいことがわかりました。
- 歯の喪失は歯周病や虫歯の状態を反映している可能性があり、歯を失わないように生涯を通じて歯周病・虫歯の予防に取り組むことが、中年期以降の全身の健康の維持にもつながる可能性があります。
【概要】
日本における8020運動(注2)の根拠となっているように、歯が20本より少ないと、咀嚼機能や全身の健康状態に影響することがわかっていました。しかし、中高年層における少数歯の欠損と全身の健康との関連については、あまり明らかになっていませんでした。
東北大学大学院歯学研究科の草間太郎講師らの研究グループは、40~64歳の約55万人を対象に、歯の喪失本数と、その後の循環器疾患リスクの量・反応関係について調査しました。その結果、歯の喪失本数が増えるにつれ、循環器疾患の発症リスクも比例して上昇しますが、その上昇幅は、喪失歯数が1~4本の範囲で特に大きいことがわかりました。この結果は、歯周病や虫歯の予防を通じて可能な限り歯の喪失を防ぐことが中年期以降の全身の健康状態の維持につながる可能性を示唆しています。
本研究成果は2026年7月12日付で米国歯周病学会が発行する学術誌Journal of Periodontologyにオンライン公開されました。
図1. 追跡開始時点の喪失歯数とその後の循環器疾患の発症リスクとの関連 (n = 551,386) *補足:実線は推定値を、点線は信頼区間(真値が含まれると考えられる範囲)を示します。
【用語解説】
注1. 量・反応関係:原因の量や程度に応じて、影響の大きさや発生する確率が変化する関係のこと。
注2. 8020(ハチマルニイマル)運動:厚生労働省と日本歯科医師会の提唱する「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という歯科保健推進のための運動。自分の歯が20本以上あればほとんどの食べ物を咀嚼できることから、20本以上を目標としている。
【論文情報】
タイトル:Non-linear association between tooth loss and cardiovascular diseases among middle-aged adults
著者:Taro Kusama*, Yudai Tamada, Takashi Miyano, Megumi Maeda, Futoshi Oda, Ken Osaka, Haruhisa Fukuda, Kenji Takeuchi.
*責任著者:東北大学大学院歯学研究科 歯学イノベーションリエゾンセンター データサイエンス部門 講師 草間 太郎
掲載誌:Journal of Periodontology
DOI:10.1002/jper.70167
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
歯学イノベーションリエゾンセンター
データサイエンス部門
講師 草間 太郎
TEL: 022-717-7639
Email: taro.kusama.a2*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
広報室
TEL: 022-717-8260
Email: den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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