2026年 | プレスリリース・研究成果
地方と都市の健康格差は疾患によって異なる -全国408万人データから地理的要因と社会経済的要因の関連を解明-
【本学研究者情報】
〇大学院医学系研究科 講師 香田将英
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 全国の市区町村ごとに約408万件の死亡データを分析した結果、所得や雇用などの社会経済的な地域格差を考慮しても、地方・都市部と死亡率との関連は死因によって異なることを明らかにしました。
- 心疾患や交通事故、自殺による死亡は地方でより多く、一方で結核や肺炎による死亡は都市部でより多いなど、地域の死亡率の違いは社会経済的な不利だけでは説明できないことが示されました。
- 研究成果より、地域ごとの健康課題を把握し、地域特性に応じた保健医療政策を検討するための基礎資料となることが期待されます。
【概要】
地方と都市部の健康格差は、交通の不便さなど地理的条件によるものなのか、それとも所得や雇用などの社会経済的格差によるものなのか、これまで十分に明らかにされていませんでした。
東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野の香田将英講師らの研究グループは、2017〜2019年の全国408万件の死亡データを市区町村ごとに分析しました。地理的条件を示す「へき地度」と地域の社会経済的な不利を示す指標を同時に考慮した結果、所得や雇用などの社会経済的な不利の影響を取り除いてもなお地方と都市部の死亡率の差は残り、どちらで死亡が多いかは死因によって異なることを明らかにしました。心疾患や交通事故、自殺は地方でより多く、結核や肺炎は都市部で死亡率比(注1)が高いなど、死因によって傾向が異なることがわかりました。
本研究結果は、地域の健康格差が死因ごとに異なる傾向を示すことを全国規模で明らかにしたものであり、地域特性に応じた保健医療政策を検討するための基礎資料となることが期待されます。
本研究成果は7月1日、英医学誌BMJ Public Healthに掲載されました。
図1. 研究デザインの概要 全国約408万件の死亡データを、「へき地度」と「地域の社会経済的な不利」の2つの視点から分析し、死因ごとに地方と都市部の差を調べました。
【用語解説】
注1. 死亡率比(Rate Ratio: RR):全国共通の年齢・性別ごとの死亡率をもとに市区町村ごとに算出した「期待される死亡数」に対し、実際の死亡数が何倍だったか(標準化死亡比)を表す統計量を、へき地度指標が1標準偏差高い地域と低い地域で比較したもの。
【論文情報】
タイトル:Association of municipal rurality and area deprivation with cause-specific mortality in Japan: a nationwide ecological study
著者:Masahide Koda*, Nahoko Harada, Shuhei Nomura, Yusuke Tsugawa
*責任著者:東北大学大学院医学系研究科 公衆衛生学分野
講師 香田 将英(こうだ まさひで)
掲載誌:BMJ Public Health
DOI:10.1136/bmjph-2026-004913
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科
公衆衛生学分野
講師 香田 将英(こうだ まさひで)
TEL: 022-717-8123
Email: masahide.koda.b1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
TEL: 022-717-8032
Email: press.med*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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