2026年 | プレスリリース・研究成果
安価な青色顔料触媒でCO2をガス燃料メタンに高効率変換する手法を実現 ―CO2のワンステップでの再燃料化技術に道―
【本学研究者情報】
〇材料科学高等研究所 教授 藪浩
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 安価な青色顔料を電極触媒とした電気化学反応により、二酸化炭素(CO2)をメタン(CH4)に高選択的に変換することに成功しました。
- 最大約8割の反応選択率と約80時間の耐久性を実現し、また理論計算により複雑な反応経路を解明しました。
- CO2の再燃料化をワンステップで実現する技術に繋がる重要な発見であり、次世代のCO2有効活用技術として期待される成果です。
【概要】
地球温暖化対策として、再生可能エネルギーを用いて二酸化炭素(CO2)をメタン(CH4)などの燃料に変換するCO2電解還元(ECR)技術が注目されています。しかし従来技術では、反応選択率の向上や生成物の分離精製が大きな課題となっていました。
東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の刘騰義(Tengyi Liu)特任助教、李昊(Hao Li)教授、藪浩教授(主任研究者、同研究所水素科学GXオープンイノベーションセンター副センター長)らの研究グループは、東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター(SRIS)の小野新平教授、北海道大学電子科学研究所の松尾保孝教授、および東北大学発スタートアップ企業のAZUL Energy株式会社(仙台市、伊藤晃寿社長)らのグループと共同で、安価な青色顔料の一種である銅フタロシアニンを電極触媒として用いた電気化学的二酸化炭素電解還元(Electrochemical CO2 Reduction, ECR)により、CO2を高選択的にガス燃料であるCH4に変換できることを見出しました。本手法は、従来困難であったCO2の再燃料化をワンステップで実現する技術に繋がる重要な発見であり、次世代のCO2有効活用(CO2 Capture and Utilization, CCU)技術として期待されます。
本研究成果は、現地時間の8月2日に科学誌Smallのオンライン速報版に掲載されました。
図1. 銅フタロシアニンを担持したカーボンの模式図(左図)とCO2→CH4変換の触媒性能(右図、最大電流密度と最大ファラデー効率)。
【論文情報】
タイトル:Unraveling Structure-Dependent Performance of Cu-N-C Molecular Catalysts for Electrocatalytic CO2 Methanation
著者:Tengyi Liu*, Xiaofan Hou, Songbo Ye, Kosuke Ishibashi, Yutaro Hirai, Yasutaka Matsuo, Shimpei Ono, Hao Li*, and Hiroshi Yabu*
*責任著者:東北大学材料科学高等研究所・特任講師・Tengyi Liu
東北大学材料科学高等研究所・教授・Hao Li
東北大学材料科学高等研究所・教授・藪浩
掲載誌:Small
DOI:10.1002/smll.75041
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学材料科学高等研究所 (WPI-AIMR)
教授 藪 浩
TEL: 022-217-5996
Email: hiroshi.yabu.d5*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)
広報戦略室
TEL: 022-217-6146
Email: aimr-outreach*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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