2026年 | プレスリリース・研究成果
子育ての孤立を地域の力で解決する手法を開発 ―量子技術を活用した子育て支援者との相性マッチング―
【本学研究者情報】
〇大学院情報科学研究科 教授 大関 真之
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 子育て中の保護者と地域シニアを、相性や日程をふまえて結ぶマッチング手法を開発しました。
- 仙台市で保護者14組と地域シニア14名による実証を行い、複数の最適な候補を作成できることを確認しました。
- 予定変更や支援者の負担調整に対応しやすくなり、地域で子育てを支える仕組みづくりに役立つ可能性があります。
- 子育て支援に加え、福祉、教育、人材配置など、人と人をつなぐ幅広い分野への展開が期待されます。
【概要】
子育て中の不安や孤立感を、地域の経験者との出会いで和らげられないか。東北大学大学院情報科学研究科の大関真之教授、本多瑠美子特任准教授らの研究グループは、子育て中の保護者と子育て経験のある地域シニアを、相性や訪問日時、支援者の負担をふまえて組み合わせる手法を開発しました。検討したのは、子育て中の保護者を「利用者」、子育て経験を持つ地域シニアを「支援者」とし、両者を相性に基づいて適切につなぐマッチング支援モデルです。相性は、利用者と支援者を対象としたアンケートに基づく相性スコア(注1)を設計し定量的に評価しました。さらに他の条件を考慮したマッチング問題をQUBO(注2)と呼ばれる数理モデルとして表現し、量子アニーリングと呼ばれる、膨大な候補の中から望ましい組み合わせを探すための計算技術の適用を試みました。仙台市で保護者14組と地域シニア14名による実証を行い、複数の最適な一対一マッチング候補を作成できることを確認しました。
本研究成果は、2026年7月21日に科学誌Scientific Reportsに掲載されました。
図1. 相性重視の子育て支援マッチングの概念図。子育て中の保護者と子育て経験を持つ地域シニアについて、アンケートに基づく相性、訪問可能日時、乳幼児対応の可否、支援者の負担を考慮し、実際に運用しやすいマッチング候補を作成する。
【用語解説】
注1. 相性スコア:利用者と支援者のアンケート回答の近さを点数化したものである。本研究では、性格、価値観、コミュニケーション傾向、関心などに関する10項目の回答をもとに各ペアの相性を数値で表した。点数が高いほど回答傾向が近く、相性がよいと評価される。
【論文情報】
タイトル:Demonstration of a Compatibility-Based Childcare Support Service using Quantum Annealing
著者:Yuuma Matsumoto、Taisei Takabayashi、Rima Sato、Rumiko Honda、Masayuki Ohzeki*
*責任著者:東北大学大学院情報科学研究科 教授 大関 真之
掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/s41598-026-60894-z
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院情報科学研究科
教授 大関 真之
TEL: 022-795-5899
Email: mohzeki*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院情報科学研究科
広報室 小野寺祐美子
TEL: 022-795-4529
Email: koho_is*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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