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暗号機器の物理セキュリティの数学的証明に成功 ―安全な暗号機器の設計方法を確立―

【本学研究者情報】

〇電気通信研究所 教授 本間尚文
ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 暗号デバイスから漏えいする物理的情報(消費電力や電磁波など)を悪用するサイドチャネル攻撃に対し、代表的な対策技術「マスキング」の安全性を数学的に保証する必要十分条件を世界で初めて明らかにしました。
  • 上記の条件を応用し、従来技術と比べて半分以下のコストで、物理的漏えいに対して安全な暗号デバイスを実現する新たな設計手法を開発しました。
  • サイドチャネル攻撃とマスキングの発見から25年以上にわたり未解決だった、マスキングの有効性に関する原理的な問いに答えるものであり、暗号・情報セキュリティ分野の基礎理論に貢献します。
  • 本成果は、スマートフォンやICカード、IoT機器などに搭載される暗号デバイスの安全性向上への貢献が期待されます。

【概要】

電子メールやメッセージングアプリ、電子商取引等、多くのデジタルサービスの安全な情報通信に暗号技術が広く用いられていますが、暗号処理を実行する機器の消費電力や漏えい電磁波などを観測・悪用して秘密情報を奪取する攻撃の脅威が知られており、対策技術の確立が強く求められていました。

東北大学電気通信研究所の本間尚文教授、伊東燦助教、京都大学大学院情報学研究科の上野嶺准教授、日本電気株式会社の峯松一彦主席研究員、井上明子主任からなる研究グループは、暗号デバイスから生じる物理的漏えい(消費電力や放射電磁波など)を解析して、安全性の保証に必要な条件を明らかにし、さらにその条件を利用して物理的安全性が保証された暗号デバイスを従来よりも大幅に少ないコストで実現する技術を開発しました。

本成果は、数学的にも物理的にも安全な暗号機器を効率的に実現する新たなアプローチとして、今後の安心・安全な情報通信社会の構築に資することが期待されます。

本成果は、2026年8月13日にProceedings of Annual International Cryptology Conference(CRYPTO 2026)に公開されました。また、8月17日(現地時間)より米国カリフォルニア州サンタバーバラ市で開催される2026年国際暗号学会議 (CRYPTO 2026) にて発表されます。

図 1. サイドチャネル攻撃の概要
攻撃者は暗号デバイスが暗号演算中に生じる物理的な漏えい(サイドチャネル情報)から秘密鍵を奪取する。

【論文情報】

タイトル:A Formal Security Proof of Masking: Reduction from Strong Noisy Leakage to Probing Model without Random Probing and Application to LR Primitive
マスキングの形式的安全性証明:強雑音漏えいからプロービングモデルへの乱択プロービングを用いない帰着と漏えい耐性プリミティブへの応用
著者:Rei Ueno*,**, Akiko Inoue**, Kazuhiko Minematsu**, Akira Ito**, and Naofumi Homma**
*筆頭著者 
京都大学大学院情報学研究科・准教授・上野嶺
**共同責任著者
日本電気株式会社・主任・井上明子
日本電気株式会社・主席研究員・峯松一彦
東北大学電気通信研究所・助教・伊東燦
東北大学電気通信研究所・教授・本間尚文
掲 載 誌:Proceedings of Annual International Cryptology Conference (CRYPTO 2026)
URL:https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-032-35415-0_11

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学電気通信研究所
教授 本間尚文
TEL: 022-217-5506
Email: contact.ecsislab*grp.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学電気通信研究所 広報室
TEL: 022-217-5427
Email: riec-kohoshitsu*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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