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MEMS一体型の単結晶ダイヤモンド量子センサー実現 ―振動中の曲げ応力を直接検出―

【本学研究者情報】

〇大学院工学研究科 准教授 戸田雅也
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 単結晶ダイヤモンド(SCD)(注1)で作製したMEMSカンチレバー(注2)内部のNVセンター(窒素-空孔センター)(注3)領域を、応力検出に直接利用しました。
  • 引張・圧縮の曲げ応力に応じて光検出磁気共鳴(ODMR)(注4)共鳴周波数が変化し、19.8 MHz/GPaの感度での応答を確認しました。
  • 振動位相に同期した周期的なODMR周波数シフトを捉え、動的な曲げ応力の計測を実証しました。
  • 量子センシング機能とMEMS機械構造を一体化した小型・集積型センシング技術への展開が期待されます。

【概要】

機械や微小構造の内部応力を直接計測する技術は、MEMSデバイスの状態監視や高機能化において重要です。東北大学大学院工学研究科の戸田雅也准教授らの研究グループは、物質・材料研究機構(NIMS)の研究者らと共同で、SCDから作製したMEMSカンチレバー内部のNVセンターを、そのまま応力センサーとして利用する手法を実証しました。

本研究では、カンチレバーの振動に伴う引張・圧縮の曲げ応力に応じて、ODMRの周波数が変化することを確認しました。さらに、振動周期に合わせた動的な応力変化の計測にも成功しました。本成果は、機械構造と量子センシング領域を単一デバイス内に一体化できることを示しており、今後の小型・集積型センシング技術への展開が期待されます。

本研究成果は、2026年8月28日に、学術誌Functional Diamondにオンライン掲載されました。

図1. 作製した単結晶ダイヤモンドMEMSカンチレバー。上部の模式図は、単結晶ダイヤモンド層(SCD-CVD layer)、イオン注入による欠陥層(Detective layer)、グラファイト犠牲層(Graphite layer)からなる断面構造を示す。

【用語解説】

注1. 単結晶ダイヤモンド(SCD):Single-Crystal Diamondの略。結晶方位が連続した単一結晶からなるダイヤモンド。高いヤング率、耐熱性、化学的安定性などを有し、MEMS(微小電気機械システム)や高感度センサー材料として利用される。

注2. MEMSカンチレバー:半導体微細加工技術で作製する微小な片持ち梁。外力や質量、応力などによって生じる変形や振動特性の変化を利用して各種センシングを行う。

注3. NVセンター(窒素-空孔センター):ダイヤモンド結晶中で炭素原子の一つが窒素原子に置き換わり、その隣に炭素原子の欠損(空孔)が存在する格子欠陥。電子スピン状態を光学的に読み出せるため、磁場、温度、応力などを検出する量子センサーとして研究されている。

注4. ODMR(光検出磁気共鳴):Optically Detected Magnetic Resonanceの略。NVセンターへ光を照射しながらマイクロ波の周波数を掃引し、スピン共鳴に伴う蛍光強度の変化を測定する手法。共鳴周波数の変化から磁場や応力などの情報を読み出すことができる。

【論文情報】

タイトル:Dynamic Bending Stress Sensing Using NV Centers in a Single-Crystal Diamond MEMS Cantilever
著者:Yuta Ochiai, Vu Xuan Tung Duong, Zilong Zhang, Takahito Ono, Meiyong Liao, Masaya Toda*
*責任著者:東北大学大学院工学研究科 准教授 戸田 雅也
掲載誌:Functional Diamond
DOI:10.1080/26941112.2026.2721758

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院工学研究科 機械機能創成専攻
准教授 戸田 雅也
TEL: 022-795-5810
Email: toda*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院工学研究科 情報広報室
担当 沼澤みどり
TEL: 022-795-5898
Email: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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