2026年 | プレスリリース・研究成果
カビがつくるフラボノイドの生合成経路を解明 ―多様なフラボノイドの微生物生産プラットフォームを構築―
【本学研究者情報】
〇薬学研究科 教授 浅井禎吾
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 抗結核薬・抗真菌薬として期待されるクロロフラボニンの生合成経路を明らかにしました。
- 合成生物学によるクロロフラボニンの供給を可能にしました。
- 得られた知見は、希少・有用なフラボノイド類の創製・供給にもつながるものです。
【概要】
フラボノイドは最も重要な植物天然物のグループのひとつですが、実は微生物がつくる例も知られています。本研究で対象とするクロロフラボニンは、ある種の糸状菌(カビ)がつくるフラボノイド化合物であり、結核菌や病原性真菌に優れた活性を示すことから、これらの病原菌に対する薬剤のリード化合物として期待されています。植物におけるフラボノイド生合成は詳細に解析されていますが、糸状菌においては解析が進んでおらず、基本骨格の構築がこれまでに明らかにされているのみでした。
東北大学大学院薬学研究科の浅井禎吾教授の研究グループは、クロロフラボニンの生合成経路を詳細に解析し、平衡混合物として存在する生合成中間体を経由する特徴的な経路の全容を明らかにしました。この経路には平衡状態にある化合物の混合物として存在する中間体が複数存在しますが、下流の生合成酵素が特定の化合物のみを変換することでクロロフラボニンが選択的につくられることがわかりました。また、研究グループは鍵となる酵素の立体構造を解析し、高い選択性を実現する構造基盤も明らかにしています。一連の成果は、有用なフラボノイドやその類縁体の供給や創製につながるものです。
本成果は2026年8月29日付で科学誌Journal of the American Chemical Societyにオンライン掲載されました。
図. クロロフラボニンの生合成を特徴づける2つの平衡状態
【論文情報】
タイトル:The Biosynthesis of a Fungal Flavonoid, Chlorflavonin, Precisely Controlled by Two Types of Equilibrium States
著者:Sho Furumura, Taro Ozaki, Kazuya Hasegawa, Hironori Hayashi, Kaori Fujimoto, Yohei Morishita, Mitsunori Ikeguchi, Takashi Kumasaka, Eiichi N. Kodama, Tohru Taniguchi, and Teigo Asai
*責任著者:東北大学大学院薬学研究科 教授 浅井禎吾、准教授 尾﨑太郎
掲載誌:Journal of the American Chemical Society
DOI: https://doi.org/10.1021/jacs.6c13856
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院薬学研究科
教授 浅井 禎吾
TEL:022-795-6822
Email:teigo.asai.c8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東北大学大学院薬学研究科
准教授 尾﨑 太郎
TEL:022-795-6824
Email:taro.ozaki.d3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科
総務係
TEL:022-795-6801
Email:ph-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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