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自律的に折り畳まれる自己伸縮性単分子膜を開発 ―圧縮で壊れず、しわ形成により応力に適応する新しい界面分子膜―

【本学研究者情報】

〇多元物質科学研究所 教授 米倉功治
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 層状に強く自己秩序化する新しい両親媒性分子HP-BTBT-C10を開発。
  • 水面上の単分子膜が、圧縮に応じて自律的にしわ・折り畳み構造を形成することを実証。
  • 圧縮で壊れず、折り畳みにより応力を逃がす、応力適応型界面分子膜の新しい設計概念を提示。

【概要】

東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の飯塚 太一 大学院生、長谷川 達生 教授、山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンターの井上 悟 研究専任准教授、理化学研究所放射光科学研究センターの眞木 さおり 研究員、同センターの米倉 功治 グループディレクター(東北大学多元物質科学研究所 教授を兼任)らは、層状に自己秩序化する顕著な性質を示す、新たな両親媒性分子(注1)を開発しました。この分子により水面上に形成された界面分子膜は、従来分子による単分子膜とは異なり、膜面内の圧縮に対して多層に折り畳まれた構造を自律的に形成し、膜が壊れることなく応力に適応することが明らかになりました。本研究は、分子の自己組織化(注2)現象が生み出す新たな機械応答を明らかにするとともに、水界面を安定的に制御する新しい界面活性分子や、応力適応型の人工界面膜の実現への道筋を示すものです。

本研究成果は、2026年9月9日(米国東部夏時間)に米国科学誌「Science Advances」オンライン版に掲載されました。

自律的な折り畳みを示すHP-BTBT-C10単分子膜

【用語解説】

(注1)両親媒性分子
水になじみやすい部分(親水性部位)と、油や有機物になじみやすい部分(疎水性部位)をあわせ持つ分子。水面では、親水性部位を水側に、疎水性部位を空気側に向けて並びやすく、単分子膜を形成することがある。石けんや脂肪酸、脂質分子などが代表例である。

(注2)自己組織化
系全体に秩序ある構造が、個々の構成要素間の相互作用と自発的な運動の結果として形成される現象は、一般に自己組織化と呼ばれる。こうした現象のうち、特に構成要素の規則的な配列形成を強調する場合、本稿では「自己秩序化」という言葉を用いている。

【論文情報】

雑誌名:Science Advances
題 名:Self-stretching molecular monolayers with autonomous folding and mechanical adaptation
著者名:Taichi Iizuka*, Satoru Inoue, Kiyoshi Nikaido, Seiji Tsuzuki, Saori Maki-Yonekura, Tasuku Hamaguchi, Koji Yonekura, Tatsuo Hasegawa*
DOI:10.1126/sciadv.aeg8906

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学 多元物質科学研究所 広報情報室
Tel:022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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