2026年 | プレスリリース・研究成果
頭部MRI画像に眠る新たな健康情報をAIで読み解く ―「噛む筋肉」から高齢者の口腔健康の手がかりを―
【本学研究者情報】
〇加齢医学研究所 講師 舘脇康子
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 頭部MRI画像から、AIを用いて咬筋(こうきん、ものを噛む筋肉)(注1)の体積を自動で計測する手法を開発しました。
- 弘前地域に在住する高齢者2,077人のデータを解析した結果、咬筋の体積が大きい人ほど、歯の状態、歯周の炎症、口腔機能を総合した口腔の問題が少ないことが分かりました。
- 既に撮像された頭部MRI画像から咬筋を客観的に計測できるため、脳だけでなく口腔の健康状態や加齢に関する新たな手がかりも得られるようになる可能性があります。
【概要】
高齢者の口腔の健康は、食事や栄養状態、全身の健康にも関わる重要な課題です。一方、ものを噛む際に重要な咬筋は口腔の健康状態を反映する指標として注目されていましたが、咬筋を客観的かつ効率的に評価できる方法は限られていました。
東北大学加齢医学研究所の舘脇康子講師、Liying Chen学術研究員、瀧靖之教授、弘前大学医学研究科の小林恒教授、三上達也教授、弘前大学健康未来イノベーション研究機構の村下公一教授、九州大学大学院医学研究院の二宮利治教授の研究グループは、頭部MRI画像から、この咬筋の体積をAIで高速に自動計測する手法を開発しました。この手法を、大規模な高齢者集団に適用したところ、咬筋の体積が大きい人ほど、歯の状態、歯周の炎症、口腔機能を総合した口腔の問題が少ないことが分かりました。
今回の成果により、既存の頭部MRI画像からAIで測った咬筋体積を高齢者の口腔健康状態を評価する手がかりとして活用できる可能性が示されました。
本研究成果は、2026年8月26日にExperimental Gerontology へ掲載されました。
図1.
AIによる咬筋の自動抽出例
頭部MRI画像上でAIが自動的に抽出した咬筋をオレンジ色で示している。
【用語解説】
注1. 咬筋(こうきん):ものを噛むときに使う、あごの筋肉の一つである。
【論文情報】
タイトル:Deep learning-derived magnetic resonance imaging masseter muscle volume is associated with oral impairment and cognitive frailty in older Japanese adults
著者:Liying Chen*, Benjamin Thyreau, Yasuko Tatewaki*, Yingxu Liu, Ken Takeda, Taizen Nakase, Shigeyuki Nakaji, Tatsuya Mikami, Yoshihiro Tamura, Wataru Kobayashi, Koichi Murashita, Toshiharu Ninomiya, Yasuyuki Taki
*責任著者:東北大学加齢医学研究所 講師 舘脇康子
東北大学加齢医学研究所 学術研究員 Liying Chen
掲載誌:Experimental Gerontology
DOI:10.1016/j.exger.2026.113302
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学加齢医学研究所
講師 舘脇康子
TEL:022-717-8556
Email:yasuko.tatewaki.a7*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学加齢医学研究所
広報情報室
TEL:022-717-8443
Email:ida-pr-office*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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