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下水モニタリング×生態学×機械学習:老朽下水道インフラを予防保全 ―腐食リスクを細菌データから予測し、陥没事故の未然防止へ―

【本学研究者情報】

〇大学院工学研究科 教授 佐野大輔
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 下水道管の腐食を引き起こす細菌の生息適性を、生態学の手法である種分布モデリング(SDM)(注1)を用いて下水道の管路網全体で面的に推定することに成功しました。
  • その生息適性を管齢や管径などの従来の管路データと統合して機械学習モデルに組み込むことで、下水道管の腐食リスクの予測精度が大幅に向上しました。
  • 予測された高リスク上位約29%の管路を点検対象とすることで、実際の重度腐食箇所の約89%(41/46箇所)を効率的に発見できることを確認しました。

【概要】

地下に埋設されたコンクリート製下水道管の老朽化による道路の陥没などが、世界的にも深刻な社会課題となっています。この課題に取り組むため、東北大学大学院工学研究科の張峻銘大学院生、佐野大輔教授らの研究グループは、野生動物の保護などに使われる生態学のテクニックをインフラ管理に持ち込むという全く新しいアプローチを開発しました。

本研究では、管路腐食の主な原因である下水中の細菌のデータから管路網全体の生息適性を推定し、それを機械学習モデルに組み込むことで、下水道管の腐食リスクを高精度に予測する手法を実証しました。従来手法の下水モニタリングとSDMの融合により実現した本技術は、点検すべき優先箇所を絞り込む際に、下水道技術者の経験を補完する有力な情報を与えるものです。

本成果は、9月24日付(現地時間)で科学誌Journal of Environmental Managementに掲載されました。

図1.下水モニタリングと種分布モデリングの組み合わせによる下水道管路腐食予測ワークフロー

【用語解説】

注1. 種分布モデリング(SDM):生物の観察データと環境情報から、その生物がどこに棲みやすいかを推定するモデリング技術。

【論文情報】

タイトル:Wastewater environmental DNA-based mapping of sulfate-reducing bacteria for network-scale sewer corrosion screening using species distribution modeling
著者: Junming Zhang, Kanki Watanabe, Wakana Oishi, Daijiro Mizutani, Mohan Amarasiri, Daisuke Sano*
*責任著者:東北大学大学院工学研究科 教授 佐野 大輔
掲載誌:Journal of Environmental Management
DOI:10.1016/j.jenvman.2026.131005

詳細(プレスリリース本文)PDF
※2026年10月1日13時20分頃に謝辞の研究課題番号を差し替えました。

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院工学研究科
教授 佐野 大輔
TEL: 022-795-7481
Email: daisuke.sano.e1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院工学研究科 情報広報室
担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898
Email: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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