2026年 | プレスリリース・研究成果
少ない観測データから人の流れを予測 ―量子技術で案内板配置を支援―
【本学研究者情報】
〇大学院情報科学研究科 教授 大関真之
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 量子アニーリング(注1)を使って、あり得る移動経路を多数生成し、30分ごとの人数データから仮想的な人流(注2)を予測する手法を開発しました。
- 東北大学工学部のオープンキャンパス会場を10区域に分け、量子アニーリングを模した計算で利用が集中しやすい通路を抽出し、案内板を30分ごとに置き直す実証を行いました。
- 個人を追跡せずに人流を把握できるため、大学行事や展示会などの案内改善への応用が期待されます。
- 量子アニーリング実機では約 95 %の時間断面で物理的な制約への違反が生じ、現場利用に向けた課題も明らかになりました。
【概要】
大学のオープンキャンパスや大型イベントでは、限られた人員で来場者の流れを把握し、案内板を適切に配置する必要があります。東北大学大学院情報科学研究科の大関真之教授、同研究科学生の安部央人さん、同大学経済学部の荒木達亘さん、および株式会社美装社の狩野嵩大代表取締役社長による共同研究グループは、30分ごとの人数計測と量子アニーリング型の計算を組み合わせ、人流を予測して案内板の配置を支援する手法を開発しました。
東北大学工学部のオープンキャンパス会場を10区域に分けた実証では、利用が集中しやすい通路を抽出し、その結果に基づいて移動式案内板を30分ごとに置き直しました。さらに、量子アニーリング実機を用いる際の課題も明らかにしました。
本研究成果は、2026年8月23日に科学誌Scientific Reportsに掲載されました。
図1. 実証会場と数理モデルで用いた区域分割。東北大学工学部のオープンキャンパス会場を10区域と会場外に分け、各区域の境界を通過する人数を観測しました。
【用語解説】
注1. 量子アニーリング:量子力学の性質を利用し、多数の候補の中から望ましい答えを探す計算技術です。組合せ最適化の手法として知られていますが、本研究では、あり得る移動経路を多数生成する用途に着目しました。
注2. 人流:人がどこからどこへ、どの程度移動しているかを表す流れです。人流を把握することで、駅、商業施設、大学キャンパス、イベント会場などの混雑緩和や案内の改善につなげられます。
【論文情報】
タイトル:Prediction-based Sign Placement Using QA Sampling
著者:Hiroto Abe、Tatsuhiro Araki、Takahiro Karino、Masayuki Ohzeki*
*責任著者:東北大学大学院情報科学研究科 教授 大関 真之
掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/s41598-026-68107-3
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院情報科学研究科
教授 大関 真之
TEL: 022-795-5899
Email: mohzeki*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院情報科学研究科広報室 小野寺祐美子
TEL: 022-795-4529
Email: koho_is*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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