2026年 | プレスリリース・研究成果
ケイ酸塩ガラスの熱伝導度の支配因子を解明 ―ガラス材料の熱伝導性設計指針―
【本学研究者情報】
〇多元物質科学研究所 准教授 助永壮平
多元物質科学研究所 教授 柴田浩幸
大学院工学研究科 大学院生 小里文太
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- ケイ酸塩ガラスの熱伝導度は、ガラスの放熱性や断熱性を支配する重要な物性です。一方で、熱伝導度の評価には多大な労力を要します。また、ガラス組成と熱伝導度を結びつける理論が十分に確立されていないため、熱伝導度の理論的な推測も難しい点に課題がありました。
- 本研究では、13種類のケイ酸塩ガラスを対象に調査を行い、音速と熱伝導度の間に比例関係があることを見出しました。
- 音速に基づいて組成を検討することで、放熱性や断熱性に優れた新しいガラス材料の開発につながると期待されます。
【概要】
ケイ酸塩ガラスは、電子デバイスの基板材やスマートフォンのディスプレイなどに利用されています。熱伝導度はガラスの放熱性や断熱性に関わる重要な物性値です。一方で、熱伝導度の評価には、多大な労力を要するのが一般的で、測定データが限られていました。また、熱伝導度とガラスの組成を結びつける理論が十分に確立されていないため推測が難しい点にも課題がありました。
東北大学多元物質科学研究所の助永壮平准教授、柴田浩幸教授、同大学大学院工学研究科の小里文太大学院生(研究当時)は、組成の異なる13種類のケイ酸塩ガラスを作製し、熱伝導度や関連する様々な物性の評価を行いました。その結果、ケイ酸塩ガラスの熱伝導度は、熱物性の一つである音速と比例関係にあることが明らかになりました。
音速に基づいて組成を検討することで、放熱性や断熱性に優れた新しいガラス材料の開発が期待されます。
本研究の成果は、2026年9月30日に応用物理学分野の専門誌Applied Physics Lettersに掲載され、Featured ArticleおよびScilightに選出されました。
図1. (左) 室温におけるケイ酸塩ガラスの容積比熱とフォノンの平均自由行程の関係の模式図 (右) 室温におけるケイ酸塩ガラスの熱伝導度と音速の関係の模式図 (Reproduced with permission from Appl. Phys. Lett., (2026). Copyright 2026, American Institute of Physics.)
【論文情報】
タイトル: Dominant role of sound velocity in the thermal conductivity of silicate glasses
著者:Sohei Sukenaga*, Bunta Ozato, and Hiroyuki Shibata
*責任著者:東北大学多元物質科学研究所 准教授 助永壮平
掲載誌:Applied Physics Letters
DOI:10.1063/5.0351403
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
准教授 助永 壮平(すけなが そうへい)
TEL: 022-217-5155
Email: sohei.sukenaga.d3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学多元物質科学研究所 広報情報室
TEL: 022-217-5198
Email: press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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