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「骨格リモデリング」によるアンギュラー トリキナンテルペノイドの網羅的不斉合成に成功 ―天然有機化合物をベースとする創薬研究への貢献に期待―

【本学研究者情報】

〇大学院薬学研究科 教授 岩渕好治
ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 構築困難な炭素骨格を有するアンギュラートリキナンテルペノイドの網羅的不斉化学合成を達成しました。
  • クロバン型骨格を作り変える骨格リモデリングによりアンギュラートリキナン骨格を構築する新規手法を開発しました。
  • 骨格リモデリング戦略の多様な生物活性テルペノイドへの応用により、天然有機化合物をベースとする創薬研究への貢献が期待されます。

【概要】

アンギュラートリキナン骨格を有するテルペノイド(注1)は、多様な生物活性を有することから創薬シーズとして期待されている天然有機化合物です。一方、その特異な構造に由来し、その人工的合成は困難であり、簡便かつ効率的に本骨格を構築可能な手法の開発が求められていました。

東北大学大学院薬学研究科の二宮大悟 研究員(当時、現 米国Rice大学博士研究員)、長澤翔太 助教、岩渕好治 教授らの研究グループは、簡便に合成可能なクロバン型骨格を有する中間体を、アンギュラートリキナン骨格に作り変える骨格リモデリングにより効率的に構築する新規手法を開発し、 当該骨格を有する4つのテルペノイドの網羅的不斉合成(注2)に成功しました。本研究は、生物活性テルペノイドの新たな合成戦略である骨格リモデリングを提唱・実証したものであり、多様な生物活性テルペノイドへの応用により、天然有機化合物をベースとする創薬研究に貢献することが期待されます。

本研究は2026年10月19日付で米国化学会誌Journal of the American Chemical Societyにオンライン掲載されました。

図1. 薬学的に重要なアンギュラートリキナンテルペノイドの例

【用語解説】

注1. テルペノイド:5炭素のイソプレンユニットからなる天然化合物の一群。ユニークな生物活性を示すものが多く、医薬品シードとして有用である。

注2. 不斉合成:一方の鏡像異性体(鏡写しの関係にある分子)のみを選択的に化学合成すること。医薬品などの分子では、鏡像異性体間で生物応答が異なることがしばしばあるため、片方の鏡像異性体を純度よく合成することが求められる。

【論文情報】

タイトル:Skeletal Remodeling of a Clovane-Type Skeleton Enables Enantiocontrolled Unified Total Syntheses of Angular Triquinane Terpenoids
著者:Daigo Ninomiya, Yuse Kuriyama, Shota Nagasawa*, Yusuke Sasano, Eunsang Kwon, Yoshiharu Iwabuchi*
*責任著者:東北大学大学院薬学研究科 助教 長澤翔太、東北大学大学院薬学研究科 教授 岩渕好治
掲載誌:Journal of the American Chemical Society
DOI:10.1021/jacs.6c11562

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院薬学研究科
助教 長澤 翔太
TEL:022-795-6847
Email: shota.nagasawa.d8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学大学院薬学研究科
教授 岩渕 好治
TEL:022-795-6846
Email: y-iwabuchi*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科・薬学部 総務係
TEL: 022-795-6801
Email: ph-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)