文系女子対談
100年の中の「私たち」

「門戸開放」の理念のもと、日本で初めてとなる女子学生を受け入れた東北大学。
 1922年には文系学部である法文学部が設立され、その翌年に帝国大学初の文系女子学生も誕生しました。文系女子学生誕生から、ちょうど100年。ここでは、現在活躍する卒業生と現役女子学生に東北大学文系学部の魅力などについて語っていただきました。

今回対談をするお二人
小滝真悠

KOTAKI MAYU

●2003年生まれ。静岡県出身。

●2022年4月に東北大学教育学部に入学し、同年9月に東北大学学生広報スタッフに就任。学友会報道部に所属しており、「東北大学新聞」を日々制作している。

●趣味は「推し活」と献血。

●好きな食べ物はパクチー。

熊谷望那

KUMAGAI MONA

●1994年生まれ。岩手県出身。

●2016年に東北大学法学部を卒業した後、tbc東北放送に入社。現在はアナウンサーとして活躍中。

●本学111周年記念ホームカミングデー(2018)や第2回東北大学材料科学ウェビナー(2021)などに司会として登壇。

「やりたい」気持ちに素直に過ごした学生時代

小滝

熊谷さんは、なぜ東北大学法学部に?

熊谷

高校時代の先生に、東北大学は環境も整っているし、その後の進路も広がるし、とにかく「伸びる大学」だから合っているんじゃない?と勧められたのがきっかけで東北大学を目指すようになりました。法学部を選んだのは、「響きがかっこいい」「強く、かっこいい女性になれそう」という単純な理由でした。

小滝

どのような学部生時代を送りましたか?

熊谷

勉強に関しては、刑法を特にしっかり勉強しました。刑法が専門の先生の授業がすごく面白くて。もっと近い距離から勉強したいと思い、勇気を出してゼミにも入りました。
あとは、「他組・他学部履修」を存分に利用して、文学部や経済学部などの学部の授業にも顔を出していました。私は法学部だったのですが、学部の枠にとらわれず、自分の興味のある分野に関して幅広く教養を受けることができて面白かったです。上限の20単位まで登録したので、教務課の方に顔も学籍番号も覚えられてしまいましたが(笑)、幅広く文系のことを学べたことは有意義な機会だったと思います。

小滝

私の友人(文学部)は、「入学後に専修を選べるから、それまで迷うつもり」と言っていました。入学後に進路を決められるのも魅力の1つかなって思います。

熊谷

たしかにそうかもしれません。そういう人に向けても、「門戸開放」されている大学という印象があります。二十歳くらいって大きく夢が動く時期でもあるので、東北大学は在学している4年間で夢が見つかる大学だなと思いましたし、自分自身もそうだったので、入学してよかったなと思いますね。

小滝

熊谷さん自身が、本学で学べてよかったと感じたことは?

熊谷

いっぱいありますよ。在学時は毎日楽しいなと過ごしてきたのですが、卒業後に改めて考えてみると、東北大学は世界的に注目されている研究や事業がいっぱいあるんですよね。それらをシャワーを浴びるように受けられる環境にいたと考えると、非常にぜいたくな時間だったんだなと思いますね。
あと、学生自身の「やりたい」という気持ちにも我慢せず何でも挑戦できる環境なので、自主精神も育ったと思います。なんといっても、面白い人が多かったのが何にも代えがたいことですね。刺激的な仲間に囲まれて、自分もすごく底上げされているような感覚だったと思います。

小滝

どのようなご学友がいましたか?

熊谷

基本的にみんな勉強に対してアグレッシブな面をベースにしつつ、趣味に突っ走っていました。バックパッカーとして世界中を転々としたり、社会人の方とたくさん会ってビジネスを起こしたり、個性を発揮していました。

小滝

東北大学は、日本や世界においてどのような大学であるとお考えですか?

熊谷

社会人になってから、「東北大学の卒業生なんです」って話をすると、地域に愛されている大学なんだなっていうのを実感するんです。東北のみならず、全国の方から見ても、「確固たる好感度」みたいな、素敵な大学だなって、魅力的な人も多いんだろうなって思ってもらえている何かがあるんだと思います。ニュースを見ていても「東北大学」の名前を見ない日はないくらいで、それほど知名度があって、世界の最先端に貢献している大学って、他にないのではないかなと思います。

対談の様子

文系女子学生受け入れから
100年

小滝

そんな東北大学ですが、1923年に日本で初めて文系学部に女子学生を受け入れてから、今年でちょうど100年を迎えました。100周年と聞いて、どう感じますか?

熊谷

まずびっくりしました。長いなって思いますよね。私の祖父が今93歳なのですが、その祖父が生まれるよりも前から、この場所でずっと学んできた女性の先輩方がいるっていうことが、素直にすごいなって思うのが1つ。
あと、東北大の卒業生の方々と会うと、同じ過ごし方をして、この仙台の地で学んで、国分町で飲んで…と、生活スタイルがおそらく似ているので、心の距離がぐっと近づくんですよ。あ、同じ東北大学なんだって、卒業した今も感じます。同じ志をもって、同じような生活を送っていた先輩方が100年も脈々といらっしゃるというのは、嬉しい気持ちになりますよね。

小滝

その100年の中に、熊谷さんも私(小滝)もいるんですよね

熊谷

東北大学という大学の、100年の女子学生の歴史の中に自分も1人いるということはすごく誇らしいし、なんだかこそばゆい気持ちがします。活躍されている先輩方も多いですから、そこに恥じないように、自分も貢献できるようにしたいです。私自身、「東北大学の卒業生」という認識をもらってお仕事をいただくこともあるので、感謝の気持ちとか、頑張ろうっていう励みになっているんです。今の私の姿を見て、未来の後輩たちが東北大を知って、「こういう道もあるんだな」「私も頑張ろう」っていう気持ちの循環が生まれるなら、自分も頑張っていきたいなと思っています。

対談の様子

現役の、
そして未来の文系女子へ

小滝

最後にメッセージをお願いします。

熊谷

東北大学に入ったからこそ見える景色があるんですよね。周囲の女子学生の皆さんの積極性やバイタリティとかに刺激されて、今まで知らなかった自分の一面にも出会えますし、際限なく自分の可能性を高めていけると思うんです。夢がある人はその夢に向かって突き進んでいけますし、ない人も、魅力的な文系女子と出会って切磋琢磨して、なりたい自分が見えてくると思います。東北大学では勉強や「やりたいこと」をのびのびとできるので、この環境を存分に活用して、自分の可能性を広げていってほしいなと思います。

小滝

ここから始まったと思うと、100年の中でいろいろ変わってきたんだなと感じます。

熊谷

ね、100年前の先輩たちにもかわいがってもらえるように頑張ろうって思えるよね。

対談の様子

文責:東北大学 総務企画部広報室